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2024年11月22日金曜日

レース振り返り:2024年10月13日:第32回日本山岳耐久レース(24時間以内)ハセツネcup

レース振り返り:2024年10月13日:第32回日本山岳耐久レース(24時間以内)ハセツネcup

<距離>
大会発表:71.5km、約4582mD+
計測距離:65.15km、4492mD+

<記録>
15時間54分49秒

スタート 0:01:04
第一関門 4:41:39(浅間峠)
第二関門 9:18:39(月夜見)
第三関門 13:47:55(長尾平)
FINISH  15:54:49

71.5km男子40代で234位、71.5km男子男子総合で560位

出走者数 : 1,818名 (男子 1,583名 / 女子 235名)
完走者数 : 1,503名 (男子 1,299名 / 女子 204名)
完走率  : 82.7%

<靴>
nnormal tomir2.0 2024

靴は通常26.5cmを選ぶが、大きめなので26.0cmのサイズ。それでも下りでつま先が靴に変な当たり方をしていることに気がついて、ひょっとしたらこれでも大きいのかもしれない。
機会があれば25.5cmを履いてみたい。靴ひもはsalomonのようにシューレースタイプにしてほしいなあ。

<あってよかった装備>
手袋:寒くなくても、持っていたほうが良い。ほとんどが夜のレースなので、指先を冷やさないことはメンタル的にも大切です。
ライト2つ:腰ライトと、ヘッドライトの2個使用は明るくてとても良い。
目薬:コンタクトの人は必須です。エイドや関門で止まるとき目薬をさすとリフレッシュできます。

<水分>
スタート時に持った水分:3L(胸ポケットに500ml×2本、背中のハイドレーション2L)
月夜見での補充:1.5L(主催者から配られる)この時点で1Lの余り
綾広の滝での補充:2L
ゴール時の余り:1L
・合計摂取水分量:5.5L

ハセツネは何と言っても水!大会ルールで1.5Lの水しかもらえないので、その他で必要なものはすべて自分で持っていく必要がある。
月夜見から綾広の滝までは、2Lほしい。つまり、月夜見到着時に500mlは予備で余っていて、エイドで1.5Lもらうと良い。逆算するとスタート時に3Lは必須で、もっと暑いなら3.5L必要。4Lは要らなさそう。
そして、月夜見までに水の残りを気にせずに、恐がらずに「ちゃんと飲む」というメンタルも必要。

そういえばスタート時にMCの人が「みなさ~ん、水をちゃんと持ってますかあ?」なんて聞くから「いま聞かないでよ(笑)」と思いました。

<カロリー>
スタート時に持ったカロリー:3700kcal(そのうち水分に溶かすタイプ:2090kcal:チャレンジャー3袋、ロクテイン5袋)(ジェル系は、カロリーメイトゼリー4袋とジェル8つ)
ゴール時の余り:850kcal(そのうち水分に溶かすのはロクテイン1袋)(ジェル系は、カロリーメイトゼリー2袋とジェル2つ)→ジェルが余るのは仕方がないとしても、カロリーメイトゼリー2袋は不要だった。
・合計摂取カロリー量:2850kcal

<走り>
・率直な感想としては、第一関門の浅間峠まで、ちょっと時間かかっちゃったなー、渋滞に巻き込まれるのは仕方がないにしても、結果として自重しすぎた。渋滞が思いのほか長かった。そしてザックに入れたハイドレーションから水が出なくなって、その調整に手間取った。次に走るときは、第一関門まで遅くとも4時間は切りたいところ。
ただ「最初に飛ばし過ぎない、渋滞を回避しようとしすぎない(どうせ渋滞するから)、後半しっかり走れるように前半は余力を残す」というスタンスは、良いと思う。

・今回はポールOKだったので、浅間峠以降はポールを使いました。ポールがあって良かった、ポールがなかったら1時間は遅くなってたかも。トレーニングの積み重ねに不安がある人はポール推奨。でも本当に速い人はポールなしで走る。

・浅間峠から月夜見まで、気持ち悪くなって2回ほど横になった。月夜見で水分補給したら、一気に回復!して、気持ち悪くなったのは脱水のためだったことを知った。水が無くなることを恐れて、飲まないでいると、脱水になって走れなくなるので、この環境下でもしっかり水分摂取することが必要。

・月夜見以降、綾広の滝までは、水の心配ばかりしていた。綾広の滝でしっかり補充できれば問題ない。

<レース前に必ずしておくこと>
練習で、すべての荷物を背負って走ること。
100マイルと同じだが、ハセツネの方が荷物が重くなる。
「山」と「自分」と向き合うレースなので、準備をしっかりしておくこと。

<ゴミ>
自分が出したゴミは全部自分で持ち帰る。それは山のルールとして当然なので、ハセツネのエイドで捨てられないことは、仕方がないと思います。ですから自分のゴミは最初から最後まで持っていくつもりでした。
でも「途中で拾ったゴミ」もエイドで捨てられなかった(断られた)のですが、これもやはり競技としては仕方がないのでしょうか。

今回、山中では、かなりのゴミを見かけました。そして全部はムリでしたが、なるべく拾うように心がけました。
「自分のことは自分でやる」というハセツネの精神から、エイド等ではゴミを回収しないというのも1つの姿勢で、これは理解できます。
一方で「山の環境を守る」のも皆が大切にしていることで、エイド等でもゴミを回収するようにして、ランナーにはむしろ積極的にゴミを拾ってきてもらう、という方法でも良いのではないか、と思えたのです。

なぜなら、エイドで捨てられないのに、拾ったゴミが意外と多くて、せっかく拾ったゴミを落としそうになってしまったからです。

私がゴミを拾うのは、単純に「山の中にゴミが落ちているから」という理由が一番ですが、レースでは「知らない間に自分も落としている可能性もあるから」という理由もあります。「お互い様精神で、選手は拾いながら走るから、エイドでも回収する」というのも、1つの方法かもしれない、と思いました。

簡単に「回収」といっても、エイドや関門の運営は大変なので、ゴミの回収をするとゴミが増える、作業も増える、と思います。一方で、レース中に見た「落ちているゴミの多さ」を思うと、それが選手が落としたものにせよ、ハイカーが落としたものにせよ、ちょっとそのままにしてはおけないな、と思う量でした。
ゴミ袋を持って走っても良いのですが、それをするならレースに出る必要はなく、目的がちょっと違う気がしますし…。
エイドでゴミを回収していただけなかったのは、私の聞き方が悪かったのかもしれませんが、ハセツネが今後もレースとして続けられることを願っている一人として、レースでのゴミの取り扱いについて、意見を残しておきます。

<レース終了後>
初めてトリッパーズに寄ることができました。
なんとハセツネ参加者は10%オフにしてくださったので、地元では買えない補給食やドライバッグを買うことができました。

<ダメージ>
最初にかなり自重した、そして攣らないようにしたのもあって、ほぼ筋肉痛なし。

<全体の感想>
サバイバルな感じだけど、そこを上手くやり繰りする楽しさはありますね。
コースも走りやすくて、楽しかったです。
心残りは、ゴール後に風呂に行くバスに間に合わなかったこと。あと1時間早くゴールできれば、風呂も行ける。次こそ。

ゴール後のラーメンが染みました。

関西からハセツネに行くには遠いけれど、夜じゅう走るために宿泊なく行けるので、土曜日始発の0泊2日で日曜の午後には帰ってこられるのも魅力です。

第83回日本公衆衛生学会学術集会、第81回全国保健所長会総会、都道府県等会長会議、に参加したメモ

第83回日本公衆衛生学会学術集会、第81回全国保健所長会総会、都道府県等会長会議、に参加したメモ

<期間>
令和6年10月28日(月)~10月31日(木)

<場所>
北海道立道民活動センター かでる2.7
札幌コンベンションセンター
札幌市産業振興センター

【10/28:第81回全国保健所長会総会】
<厚労省>
・健康日本21:S53からずっとやってきた、今後もPDCA回していく
・DHEAT:発災後すぐに数日間だけ行く「DHEAT先遣隊」を作るつもり。厚労省の中で決裁がおりたばかり。

【10/28:都道府県等会長会議】
<藤田会長>
・都道府県からの要望書を出してください。
・立ち入り検査の技術継承のための研修を、科学院がやってくれるようになりました。
またブロックごとのDHEATの研修、お金がないから参加できない自治体が多かったが、予算をつけてくれるようになった。
・市型保健所の人も、奨励賞等への推薦をしてほしい。

<会場からの意見>
・奨励賞→公衆衛生学会学会誌に何か載せた人を推薦してほしい→そのためにも投稿してほしい。
・保健所に来るアンケート→所長会からのアンケートは、所長は極力答えてほしい。いまはインターンプログラムのアンケート募集中。各保健所長会長がリマインドすると回答率が上がる。

【10/28::研究事業報告】
・発表報告
(1)災害時健康危機管理活動の支援・受援体制整備と実践者養成事業
分担事業者:西田 敏秀(宮崎県延岡保健所兼高千穂保健所)
(2)院内感染対策ネットワークと保健所の連携推進事業
分担事業者:豊田 誠(高知市保健所)

・会員協議
◇討論会:テーマ「『DHEAT の役割と今後の展望』~能登半島地震におけるDHEAT 活動を振り返り 今後の展望を協議する~」
講演1「DHEAT による市町支援に関する課題と今後の展望」
演者:服部 希世子(熊本県有明保健所)
講演2「DHEAT による本庁支援に関する課題と今後の展望」
演 者:石井 安彦(北海道釧路保健所)
講演3「被災保健所におけるDHEAT 受援に関する課題と今後の展望」
演 者:後藤 善則(石川県能登北部保健所)
講演4「広域災害対応におけるDHEAT 事務局の役割」
演 者:高岡 誠子(日本公衆衛生協会 DHEAT 事務局)

<所感>
・DHEATの派遣調整は、被災自治体から厚労省に要請が入ったのち、日本公衆衛生協会 DHEAT 事務局が実質的なシフト組を行っているが、ここにブレイン機能はない。
・首都直下地震で厚労省や公衆衛生協会が機能不全に陥った場合、DHEAT調整をどうするか、は、まだ決まっていない。DMATのように自動的に動ける仕組みが必要。また厚労省の中でDHEATがどう扱われているのか見えないのも課題。
・DMATとDHEATの関係性は、支援先の自治体がDMATをどのように組織に位置づけるかによって変わるものだろう。
・「本庁」にも色々とカラーがある(政治色が出る)。入りにくい本庁もある。たぶん本庁はどこも外部の人が入ってくることに慣れていない。これは本庁でも受け入れ支援の訓練が必要ということ。


【10月29日】

<特別企画:パネルディスカッション(第76回北海道公衆衛生学会共催企画)人口減少時代の健康なまちづくり>
2024年10月29日(火) 10:00 〜 11:10 第1会場 (札幌コンベンションセンター 特別会議場)
モデレーター:玉腰 暁子(北海道大学大学院医学研究院公衆衛生学教室)
パネリスト:秋元 克広(札幌市長)
・大雪が降るのに197万人も住んでいるのは世界でも札幌だけ
・でも2020年から2060年までに38万人減少する見込み。
・20代の転出超過

パネリスト:黒川  豊(大樹町長)
・人口5千人、農業、漁業、酪農。ウシ25000頭、チーズになる。
・宇宙もやっている、太平洋側で雪が少ないから。
・外国人労働者が増えた:エアコン、水洗、wifiがあると来てくれる。

パネリスト:松野  哲(岩見沢市長)
・人口7万人、豪雪地帯、農業
・農家は1200→700代に減少、農地は引き継がれ、1つの農家の拡大化が進んでいる。
・大規模化の一方だから、スマート農業、GPS、コンピューターで機械化。

<所感>
人口が減る北海道で、環境は厳しいはずなのに、3人に悲壮感がなかった。首長としての宣伝もあるだろうが、「明るくやっていく」という姿勢も大事なのだろう。


<学会長講演:これからの社会と公衆衛生>
2024年10月29日(火) 11:20 〜 11:50 第1会場 (札幌コンベンションセンター 特別会議場)
座長:尾島 俊之(浜松医科大学健康社会医学講座)
演者:玉腰 暁子( 北海道大学大学院医学研究院公衆衛生学教室)
・日本は2008年から人口減、2070年には8700万人。
<所感>
非常に総花的な話ばかり・・・。「日本の平均値」について、いくら話を聞いても、平均値に合わせた対応をしているところなんて、ほとんどないのに、平均値から見える今後に必要な政策や提言を聞いても、どこの地域の話?と疑問に思う。

<ランチョンセミナー3 Well-being最大化とSocial Capital醸成の源泉「自律性」「寛容性」の向上策 ―内閣府戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)で挑む「包摂的コミュニティ再生プロジェクト」>
共催:国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所
2024年10月29日(火) 12:00 〜 13:00 第3会場 (札幌コンベンションセンター 大ホールC)
座長:久野 譜也(内閣府SIPプログラムディレクター/筑波大学大学院人間総合科学学術院/筑波大学スマートウエルネスシティ政策開発研究センター)

[LS-3-1] 「住宅団地におけるコミュニティ再生・形成を実現する社会技術」
*神田 昌幸1 (1. 大和ハウス工業株式会社執行役員リブネスタウン事業)
・「団地」や「タウン」をそのままにしておくと、単に高齢化しておわってしまう。新しく入る人が必要。
・自治会が難しい、きちんと組織する必要がある。

[LS-3-2] LGBTQをはじめとする多様性への理解増進のための社会技術
*清家 理1 (1. 立命館大学大学院スポーツ健康科学研究科)
・「LGBTについて国費で研究していること」をよく思わない人もいる。そういった苦情が来る。
<所感>
マジか?!びっくり。

[LS-3-3] 世界1位の若年女性のやせ者率の改善法:痩せたい気持ちを過剰に作り出す社会とコミュニティ
*田村 好史1 (1. 順天堂大学国際教養学部国際教養学科)
・そもそも親が「太ったね」と指摘しまう、友達は「やせたね」と誉め言葉を言う。
・「やせ」が問題であることを広めることが難しい、それを端的に言い表せる言葉が必要。

[LS-3-4] 伴走型子育てママ支援の新たな提案
*塚尾 昌子1 (1. つくばウエルネスリサーチ)
・7割の母親が「自分の時間がまったくない」という現実。

<所感>
いままで久野先生の研究はあまり興味がなかったが、今回の登壇者はみなさんとても面白かった。
特に「今後の一番の壁は何か、何が困難か」とパネラーに聞いていた点がよかった。
次回はぜひ「失敗談」や「上手くいかなかったこと」を聞いてみたい。

<教育講演2:医療情報の壁・分断は超えられるか  ~医療デマ・HPVワクチンの情報空間から考える~>
2024年10月29日(火) 15:30 〜 16:30
*藤松 翔太郎1 (1. NHK首都圏局コンテンツセンター)>
・コロナワクチン:両論併記で出すとネガティブな印象が残りやすい。ネガティブな情報は、前後にファクトをサンドイッチするように心がけるようになった。
なぜ手弁当で純粋に広報活動だけしている団体が批判されなければならないのか、と思った。
→こっちからすれば、なぜそんな手弁当で勝手にやっている人が「扇動」するのか、と思っていた。
・HPVワクチン:「放送したほうがいい」という声は社内で1人だけあった。


<シンポジウム5:被災自治体職員というインフラ>
2024年10月29日(火) 16:40 〜 18:15

[S-5-1] 熊本県における災害時の自治体職員向け産業保健活動
*劔 陽子1 (1. 熊本県阿蘇保健所)
・被災自治体には嘱託産業医しかいない、という場合が多い。管内の産業保健を保健所ががんばらないと、被災自治体の職員も倒れてしまう、という状況だった。
・たまたま自分が産業医大卒で卒業生ネットワークを使って活動に結びつけたが、そういう状況がなくても支援できる体制が必要。

[S-5-2] 災害対応に当たる支援者や行政職員を守る情報システムの社会実装と可能性
*人見 嘉哲1 (1. 北海道健康福祉部)
・J-SPEEDの入力フォーマットを使うことができたのでスマホを使ってアンケートを作った。
・課題:災害時の被災自治体職員の健康を守るのは誰?
・課題:「休めと言われるのが分かっているので入力をやめた。休むと現場が回らなくなる」

[S-5-3] データに基づく健康危機管理を実現するJ-SPEEDの開発経緯
*久保 達彦1 (1. 広島大学 大学院医系科学研究科 公衆衛生学)
・「保健福祉サービスの継続」が目的なはず。でも「住民優先」になってしまい、自治体職員はなかなか休みにくい。
・なにより受援自治体が受け入れる(DHEAT、J-SPEED、DOHATを)かどうか。総務?保健福祉部門?そもそも人が足りないのに。

[S-5-4] 令和6年能登半島地震の災害産業保健支援チーム(DOHAT)の活動
*五十嵐 侑1 (1. 産業医科大学)

指定発言:立石(産業医大)
・自治体は「平時の職員を守る体制」が弱い。民間であれば当たり前のことが、まだできていない。


<自由集会3 公的職場の担い手をまもるためにー産業医・産業保健職ネットワーク>
2024年10月29日(火) 18:20 〜 19:50 第10会場 (札幌市産業振興センター セミナールームB)
・産業保健師、統括産業医
・自分の部署の産業医を担当できないことが法律で決められた→振興局から保健所を切り離した自治体もある。


【10月30日】
シンポジウム37:公衆衛生の緊急事態におけるリスクコミュニケーション教育の動向
2024年10月30日(水) 09:00 〜 10:35 第7会場 (札幌コンベンションセンター 204)

[S-37-1] 京都大学公衆衛生大学院におけるリスクコミュニケーション教育の紹介
*中山 健夫1 (1. 京都大学大学院医学研究科社会健康医学系専攻健康情報学分野)
・健康危機管理やリスコミは、これからの医学教育に必須だが、教える側もまだ知識がない状態で、しっかり勉強していかなければならない。

[S-37-2] 内閣感染症危機管理統括庁におけるリスクコミュニケーションに関する取組
*蝦名 玲子1,2 (1. 京都大学大学院医学研究科健康情報学分野、2. 株式会社グローバルヘルスコミュニケーションズ)
・「感染症危機におけるリスクコミュニケーションに関する研究」報告書:平時からリスコミの準備を。

[S-37-3] 国立感染症研究所の教育体制
*齋藤 智也1 (1. 国立感染症研究所 感染症危機管理研究センター)
・危機に対応することが片手間だった→危機が起こると専門家を作る→危機が去ると専門家が活動する場がなくなる→片手間になる・・・という繰り返しだった。

<ランチョンセミナー4 誰一人、大腸がんで亡くならない世界へ>
共催:Boston Medical Sciences株式会社
2024年10月30日(水) 12:30 〜 13:30 第1会場 (札幌コンベンションセンター 特別会議場)
座長:三宅 基隆(国立がん研究センター中央病院 放射線診断科)
<所感>
予防、検査、診断、治療という話かと思いきや、ほとんどが大腸CTの宣伝だった。


<シンポジウム24:保健所等における健康危機管理のあり方>
2024年10月30日(水) 15:25 〜 17:00 第3会場 (札幌コンベンションセンター 大ホールC)
座長:尾島 俊之(浜松医科大学健康社会医学講座)、松本 珠実(大阪市健康局健康推進部)

[S-24-1] 地域健康危機管理ガイドライン改定案の作成に向けて
*小林 良清1、岡田 就将2、鈴木 陽3、豊田 誠4、山本 信太郎5 (1. 長野県佐久保健所、2. 東京医科歯科大学、3. 宮城県塩釜保健所、4. 高知市保健所、5. 福岡市中央保健所)

[S-24-2] 保健所等の人的資源の育成・連携
*石井 安彦1、小倉 憲一2、田中 英夫3、西垣 明子4、簗場 玲子5 (1. 北海道釧路保健所、2. 富山県厚生部、3. 寝屋川市保健所、4. 長野県健康福祉部、5. 石巻保健所登米支所)

[S-24-3] 保健所における新型コロナウイルス感染症対応の検証
*前田 秀雄1、調 恒明2、高山 義浩3、劒 陽子4、中島 一敏5 (1. 公益財団法人結核予防会、2. 山口県環境保健センター、3. 沖縄県立中部病院、4. 熊本県阿蘇保健所、5. 大東文化大学)

[S-24-4] 米国公衆衛生認証制度に関する文献的調査
*佐伯 圭吾1、吉見 逸郎2、松田 亮三3、白井 千香4、尾島 俊之5 (1. 奈良県立医科大学 疫学・予防医学講座、2. 国立感染症研究所、3. 立命館大学 産業社会学部、4. 枚方市保健所、5. 浜松医科大学 健康社会医学講座)
<所感>
「健康危機管理ではリスクコミュニケーションが大事だ」とよく言われるが、コロナではコミュニケーションの場が立ち上がらなかった。特にADBやNIIDが見ている景色と、保健所が見ている景色があまりに違いすぎて、地域の特性やリスクを分かっている保健所の意見が上位組織に反映されなかったし、声を届けられなかった。ADBやNIIDは感染症のことを考えていたが、保健所が相手にしていたのは感染症だけではないし、感染症が何より優先することでもない。上位組織は、もっと現場の声を拾うシステムを作る必要がある。


【10月31日】
<シンポジウム51:映画「終わりの見えない闘い」とパンデミックの記録を残すこと―新型コロナウイルス感染症アーカイブズの構築をめぐって>
2024年10月31日(木) 09:00 〜 10:35 第6会場 (札幌コンベンションセンター 小ホール)
座長:城所 敏英(公衆衛生保健所活動研究会、モニタリング委員会感染症等グループ)、飯島 渉(長崎大学熱帯医学研究所)

[S-51-1] 保健所のコロナ対応の現場を映像で記録して
*宮崎 信恵1 (1. ピース・クリエイト有限会社)
・当時の中野保健所長が映像で残すことに前向きだった。

[S-51-2] ナラティブな記憶と特別区保健所の記録について
*関 なおみ1 (1. 国立感染症研究所 感染症危機管理研究センター(元 大田区保健所 感染症対策課))
・なにをどう残すか。「ホロコースト証言シリーズ」は秀逸。生き証人の価値。

[S-51-3] 札幌市保健所の新型コロナ対応の記録とその役割について
*山口 亮1 (1. 札幌市保健所)

[S-51-4] 経験者たちの知恵を後世に伝えるための、「虎の巻」の編纂とインタビューの録画
*横山 勝教1 (1. 香川県中讃保健所)

<所感>
保健所としては、コロナはまだ終わっていない。たとえば、あれだけ保健所が大変だと言われたのに、5類になる直前の2023年4月からすでに人を減らされているし、もともと人が不足していた部署にはいまだに人が配置されないままである。そしてコロナを知らない新人保健師は学生時代からのマスクを外せない。残っている職員は、まず職員同士で仲が悪くなって、同じ部署では働けなくなった。
高齢者施設や病院は以前のように面会できない。マスクが当たり前になったまま。
学校もマスクを外せない6年生がおり、いまだに診察を拒否する開業医がいる。
行政として記録を作っても、上っ面の記録しか書けないし、コロナで膨張したカスハラは近年ますますひどくなっている。
保健所は「戦地からの帰還兵」みたいな感じ。世間はすっかり戦争(コロナ)を忘れているが、帰還兵(保健所)は戦地での体験を忘れていない、そして世間が戦争(コロナ)を忘れていることにガッカリしている。
だから、帰還兵(保健所)として一番言いたいことは「もう二度と戦争にしないでください」ということ。
そして、記録に残すとか、過去の出来事を表に出していくことは、けっこう勇気がいる。そんな帰還兵としての教訓は、口をつぐむな、ということ、かな?と思う。

<シンポジウム46:子どものための公衆衛生>
2024年10月31日(木) 10:45 〜 12:20 第2会場 (札幌コンベンションセンター 大ホールB)
座長:中山 祥嗣(国立環境研究所環境リスク・健康領域)、田淵 貴大(東北大学大学院医学系研究科公衆衛生学分野)

[S-46-1] 子どものからだと心クライシス
*野井 真吾1 (1. 日本体育大学)
・学校に行っている日本の子どもの健康状態は、「被虐待児」と同じ(アンケート結果から)。
・「大人が変わる」には、大人が「子ども」になること。今の大人は、子ども心を忘れている。

[S-46-2] 環境と子どもの健康と経済学
*中山 祥嗣1 (1. 国立環境研究所環境リスク・健康領域)
・日本人の平均身長が減少している→低出生体重児が増えたから?
・世界中でIQ値が低下している。
・自閉症診断の増加は確認されているが、増加の原因はほとんど特定されていない。
・ome=集合体

[S-46-3] GISによる社会環境要因スコアと子どもの健康との関連
*西浜 柚季子1、中山 祥嗣2 (1. 筑波大学医学医療系生命医科学域小児環境医学研究室、2. 国立環境研究所環境リスク・健康領域エコチル調査コアセンター)

[S-46-4] スクリーニングと公衆衛生学のブリッジング
*山野 則子1 (1. 大阪公立大学)

<所感>
大人が感度を高くしていくしかない。

2024年11月11日月曜日

レース振り返り:2024年9月28日:第5回比良びわ湖ビュートレイルラン2024

レース振り返り:2024年9月28日:第5回比良びわ湖ビュートレイルラン2024

<記録>
5時間53分46秒 男子43位/完走者120人中 (出走は男女で220人?海外選手も数名いた)

<距離>
大会発表:約26km、約2000mD+
計測距離:25.5km、2127mD+

→当日になってコース変更があった。GPS変更のお知らせが遅くて、ウォッチに入れた地図と実際のコースが不一致で、ちょっとロストしそうになった。

<靴>Salomon Genesis 2024

<所感>
比良山系、キツかった・・・

一か月前に足をグネってしまい、かつてないほど腫れて練習できなくて、とはいえ26キロで短いし、2000mアップなら大したことない、と思っていた。
でもこのコース、エイドが2か所しかなくて、水を充分に補給できず、しかも第一エイドでもらった500mlの水を途中で紛失した。そのため、武奈ヶ岳を登る途中で水切れ、脱水で両足のふくらはぎ、ハム、内転筋も攣った。
リタイアしようにも、エスケープルートがなくて、やめても自力で進むしかない。びわ湖バレイまで登ったあとの縦走がキツくて、下りも長いガレ場。とてもチャレンジングなコースでした。
43位/約220人中という順位はそこそこ良いけど、足はギリギリだったなあ。
再来週のハセツネ、こんな状態で大丈夫だろうか・・・

これで「アクトレップ」という会社のトレランレースに2つ出たことになる。
この会社のレース、きついぞ!(笑)

「びわ湖バレイスカイラン」に出場するなら、一部同じコースを通るので、このレースはとても良い練習になります。

<反省点>
・ペットボトルの水を、ザックの落ちやすい場所に入れてはいけない。
・暑い日に帽子は必須
・水しっかり飲み、しっかり補給すること

2024年11月7日木曜日

レース振り返り:2024年7月28日:余呉湖一周トレイル2024:21km

レース振り返り:2024年7月28日:余呉湖一周トレイル2024:21km

<結果>
記録:2時間49分54秒(2023年10月のレースよりより約20分遅い)
総合順位:6位/127人中(男子5位)
距離:21.4km、849mD+

<靴>
salomon genesis 2024

<コース>
余呉湖を一周、余呉湖の周りの山並みを一周、というコース。
2023年のコースよりも一部変更がありました。

<補給>
水1L、ジェル2個で足ります(念のため4個持つ)。
たぶん水は少し残り、ジェル2つ摂取しました。

<レースの位置づけ>
2回目の参加で、今年は真夏の開催だった。
タイムは狙わずに、この暑さに慣れるために参加した。

<走りと所感>
足が攣らないように、暑さに慣れてないから飛ばし過ぎないように、注意して走ったけれど、ひぃひぃ言いながら、なんとかゴール。
途中で足を攣っている人が何人かいて、やっぱり暑い時期のレースは難しいと思いました。
順位は信じられないくらい良いけれど、タイムは遅いので、これは早い人が他のレースに行ったんだろうと思います。

余呉湖の一周をせず、山並みだけ一周というカテゴリーもあるので、滋賀県で開かれるトレイルランニングレースの中では、これはもっともエントリーレースで、参加しやすいと思います。
実際、今回は慣れている人が少ないせいか、スタート時に「スタートゲートに並ぶ」ということをみんな遠慮していました。

2024年11月6日水曜日

レース振り返り:2024年7月7日:第10回奥比叡・仰木棚田トレイルラン2024:27km

レース振り返り:2024年7月7日:第10回奥比叡・仰木棚田トレイルラン2024:27km

記録:3時間58分15秒 男子71位/完走221人中
完走率:96.5%(厳しい気象条件だったのに、これはすごい)

<距離>
大会発表:約27km、約1000mD+
私のGPS:26.5km、1302mD+

<靴>
salomon genesis 2024 (S/labではないフツーのgenesis)

<感想>
ひさしぶりのトレイルレースだった。リハビリという位置づけ。
そうであっても「3時間は切るだろう」と思っていたけれど、久しぶりで距離感が狂っていたこと、思った以上に暑かったことで、完全にバテた。
たしか20km以降はぜんぶアスファルトの下りで、そこまでに足が終わってしまったので、7kmほとんど歩きました。

「普段の練習に使えるコースだったらいいな」と思って出走したけれど、それもムリです。このコース、練習ではムリ。山はキツイし、アスファルトは多いし、水場とかエスケイプルートもない!

距離と累積の割には、このコースは簡単ではありませんでした。
また出るか?って言われると、ちょっと・・・。

2024年8月6日火曜日

レース振り返り:2024年3月10日:第2回びわこマラソン:フル

レース振り返り:2024年3月10日:第2回びわこマラソン:フル

<結果>
距離:フル 125mD+
順位:954位/約7500人中
記録:03:25:24(ネット03:24:45) 自己ベスト更新

<靴>
Nike Air Zoom Tempo Next% model 2021

<びわこマラソンの歴史>
「びわこ毎日マラソン」として60年続いてきたものが「びわこマラソン」に引き継がれ、今年で2回目とのこと。
この「マラソン運営の歴史」というのは、走ってみてよーく分かりました。ランナーのことがとても分かっている、考えられている。

荷物預け7:50
整列最終8:05
スタート8:20

エイドの食べ物は個包装で一口サイズ
給水ポイントはしっかりある
トイレも充実
ゴール後に、ポカリ、プロテインバー、おにぎり、豚汁。

<服の擦れ>
脇の下に塗り忘れた

<補給>
俺は摂取す:ピーチ味で美味しい
アミノサウルス(カフェイン入り):ちょっと濃い
メダリスト(コーヒー味):寒いと硬い

ロードのフルは、マグオンで良いんじゃないか、と思った。

<総括>
練習が積めていなかったので、正直、いいかげんに走りました。
寒くて、途中トイレにも行きました。
でも、そのゆるさが良かったのかもしれません、自己ベスト更新してしまいました。

あー、これ、もっとちゃんと練習していて、ちゃんと走ったら、もっと早くなったのに、と、欲張りにも思いました。

来年こそは、もっと上を狙いたい。

15年戦争とコロナ対応の共通点

現在92歳で、学童疎開と大阪空襲を経験された方の話を聞いてきた。

「戦争が終わった時に"一億総懺悔"と言われた。でも自分が生まる前から日本は戦争をしていた。そして疎開したり、空襲にあったり、友人を亡くしたりした。それなのに、戦争が終わって、今度は国から"懺悔だ"と言われても、なんで自分が謝らなければならないのか、と子供心に腹が立った」

「小学校低学年の頃の国語の教科書には、日本は神の国だなんて書かれていなかったが、数年もすると日本は神の国だ、と変わっていった。」

「あと10年もすれば、戦争の本当のことを語る人はいなくなる。自分も含めて、あと10年も生きられない。そうなったときに、日本が戦争に進んでいってしまわないか、と心配している」

・・・いや、ほんと、その通り。

戦中は、戦禍を強調しつつ、「一億一心」とか「足らぬ足らぬは工夫が足らぬ」とかのプロパガンダで、画一的に国を統べようとした。
敗戦しても、なお、一億総懺悔と、また画一的に述べられた。

誰かの都合で、誰かが勝手に決めたことを
北から南まで、日本中どこでも同じようにやらせてしまう。
それが失敗の元だ、と思っている。

そして、これはコロナ対応も同じだった。
だからおそろしい、と思っている。

2024年3月19日火曜日

「MRワクチンの定期接種分がきちんと確保され、接種が続けられること」が最も大事

麻しんの対応は
「MRワクチンの定期接種分がきちんと確保され、接種が続けられること」が最も大事です。

でも、感染症の報道をまた垂れ流しにしたせいで「はしかが心配でワクチン打ちたい」という高齢者が出てくるようになってしまい、麻しんパニック勃発中です。
いくら任意接種で自由診療で打てるといっても、「心配」を理由に打つことになったがために、定期接種分の供給に不安が生じるなんて、笑えません。

ワクチンは大事、でも資源は有限で、優先順位がある。

なんか、どこかで経験してきたような…。

2024年3月12日火曜日

レース振り返り:2024年1月21日:第2回にしおマラソン:フル

レース振り返り:2024年1月21日:第2回にしおマラソン:フル

<結果>
距離:フル 225mD+
順位:666位/4529人中
記録:03:41:34(ネット03:41:10)

<靴>
Nike Air Zoom Tempo Next% model 2021

<所感>
レースペースでは無理だったので、最初からロングスロージョグのペース。
しかもずっと雨のコンディションで、最後には2回の坂があった。足も手も冷え切った42.195kmだったけど、その中で、この記録は割と良いだろう。
レベル上がってる?いや、UTMFのときより確実に下がっている。練習不足は隠し通せず、41km地点で足攣り。
うーん、フルのサブスリーはやっぱり遠いし、いまはトレイルの100mileなんて走れる気がしない。

エイドを全部満喫するつもりで行ったけど、抹茶、おにぎり、うなぎ、えびせん、大あん巻まで食べたところでお腹いっぱいになってしまった。だから、その後に現れた「豚汁・パン、焼きそば、たこ焼き、ラーメン」のエイドは食べられませんでした。
充実しすぎでしょ。食べ歩きしたいほどのエイドだったなあ。

ハーフ地点で「うなぎ・おにぎり」食べたら、お腹痛くなった…。

最近たるんでる中で、良い練習になりました。

それから、雨の中、沿道の応援は、力になりました。いま思い返しても、あんあに応援してもらいながら走ったことはありません。スタッフだけでなく、町の人が本当にみんな応援してくれました。中学生も寒い中、海沿いに立って応援してくれました。見ず知らずの選手を、ほとんどの人が、ずっと応援してくれるのです。
おもてなしの提供ではなく、「文化」だな、良い大会だな、と思いました。

隔離政策を中心に据えた日本の感染症対策を、いい加減、やめませんか?

-----引用-----
NHK首都圏news web 03月11日 20時40分
女性は、今月1日に大阪府ではしかの感染が確認された20代の男性と同じ飛行機に搭乗して先月、UAE=アラブ首長国連邦から帰国していました。
このため、健康観察を受けていたところ、今月8日に、滞在先の都内で発熱や発疹の症状が出て、その後の検査で感染が確認されました。
現在は入院していますが、回復に向かっているということです。
-----引用おわり-----

はあ。
また大騒ぎ。

旅行者に「公共交通機関で帰れ、とは言えず、ホテル泊継続もNGで、コロナのような宿泊施設もない、移動手段もないから、隔離を継続するには入院させるしかない」ってところだろう。

麻しんの侵入門戸が「このケース1つだけ」なら、厳重な対策に意味はある。でも、コロナで繰り返してきたけれど、感染症なんて履いて捨てるほど他から入ってくる。それなのに、目に見えるところだけ「対策してるフリ」を続けざるを得ないのはなぜ?海外から入ってくるほうをフリーにしておいて、入ってきてから騒いでも、限界があることくらい分かるでしょう。コロナでやったじゃん。

保健所は麻疹が出たら「すぐ動く」けれど、それは別に個人を隔離することが目的だからではない。「接触者のうち、MRワクチンを打ってない人に3日以内に接種を促す」ために、我々はすぐ動くの。それしかできることがないから。
本当に、MRワクチンを推進することしか、できることはないから。

「公共交通機関は使うな」なんて、1つのケースに言ったところで、他から入ってくるんだから効果ありません。すぐ動くことで「接触者をできる限り減らす」なんて絵空事です。疫学調査を実際にやってみればすぐわかる、すべて後の祭りだってことがすぐわかる。

「一番の目標は、再び土着することを防ぐこと」とも聞く。一見もっともらしく聞こえるが、一体どれくらい麻しんが入ってきたら再び土着するのか、麻しんの流入を防いでないのに「診断ついた分だけ対応する」のって意味あるのか、基本的なQAを聞いたことがない。

土着を防ぎたい、それはそうです。麻しんは感染力が最強です、疫学調査や報道発表の意味がないほど、強力です。だから、本当に力を注ぐべきは「MRワクチンの推進」です。だから、「調査と隔離」に偏った対策は、公衆衛生の資源の使いどころを間違えていると思います。

麻しんの報道発表もひどい。
本当は「不特定多数に感染させた疑いがあるけど、接触した個人を特定できないから、発表する」、これで十分なはず。でも最近は「麻しんが出たから発表する」という自治体もある。何の注意喚起にもならないのに「バイトしてた、旅行者だった」という情報まで付けて出す自治体もあります。

上記、ぜんぶコロナで繰り返してきたことです。

隔離政策を中心に据えた日本の感染症対策、いい加減、やめませんか?

それから検査はもうコマーシャルベースでやれるようにしてほしいです。

本当に欲しい対策は「MRワクチン未接種者は、いつでも無料で接種できる」ことです。
最低でも「接触者のうちMR未接種と判明した人は、日本中どこにいても無料で接種できる」ことです。

これは、市町村や各保健所に任せていてはダメな話です。

2024年2月23日金曜日

病院コロナ対応、いま、どうしてる?

・今までと同じく、病棟内でレッドゾーン作る
・検査2回陰性、その後に+になる人もいて、困ることがある。
・今まで通りの面会制限を行うべき。院内にコロナを持ち込ませないために面会制限は継続する。
・コロナになったスタッフは、抗原検査(-)になるまで出勤停止にしている。だからスタッフが足りない。
・うちはコロナになったスタッフは5日で出勤させるが、N95しっかりして、患者への接触時間を短くしている。
・転院してきたら数日後に発熱する患者がいるから、転院前に検査してもらえないか?
・検査は無料じゃないからそれはムリ。かつての濃厚接触者に当たる人は、その情報を転院先に伝えている。
・せめて病棟の発生状況の情報は転院先に共有してほしい。

 ↑
「まだそんなこと言い合ってるの?!」とすべてに驚愕してしまう。こーいう話は、感染症しか見てこなかったのだから、当然の帰結なのかしら。ある意味、日本の病院も被害者で、病院がこんな思考回路になってしまった「感染症対策」の責任が一番重いと思っている。
医療は「病気警察」ではない、感染症を取り締まるために医療があるワケじゃない。

そんなことより、ムダな抗菌薬を減らしてほしい。

2023年12月2日土曜日

いち保健所設置市が「検査・宿泊・医療機関」と協定を締結することの可否について

いち中核市・保健所設置市ごときが
次のパンデミックに備えるためだからと言って

・検査会社との協定
・宿泊施設との協定
・医療機関との協定

こんなものを締結したら、どうなると思います?

「資源の奪い合いになる」んです。
だから、保健所設置市なんぞが個別に協定を結んではいけないの。

東京や大阪はいいですよ
都会だから検査会社にもホテルにも困らない数がある。
医療機関だって沢山ある。

でも、ほとんどの地方都市では、検査会社にもホテルにも限りがある。三次医療機関は、あっても1つ。

そんなところで「保健所設置市」だけが、資源を独占したら、その地域はどうなるか。独占したのに不足したら、その保健所設置市はどうなることか。

実際、検査会社からは「都市部以外では個別の対応はできない」って言われているし、ホテルだって医療機関だって奪い合えば足らなくなる。それはコロナで経験してきたことだ。

次のパンデミックに備えるには「協定」が最も大事だ、と思われているけれど、とんでもない。協定なんて、正直あってもなくても大差ありません、カタチだけの成果だから。(コロナでさんざん意味がなかった「確保病床数」と同じ)

そんなことよりも
「限りある資源をその地域全体でいかに分け合うか」が最も大切です。

そんな発想ないみたいだけど。

2023年10月31日火曜日

レース振り返り:2023年10月29日:第1回余呉湖一周トレイル

「第1回余呉湖一周トレイル」

<結果>
距離:21km 911mD+
順位:15位/78人完走(たぶん)、1人DNF
記録:02:31:40

<靴>
Salomon pulsar trail

<コース>
余呉湖を一周、余呉湖の周りの山並みを一周、というコース。
ん?余呉湖二周トレイルなんじゃ・・・

<私にとってのレースの位置づけ>
UTMF後、半年あけての復帰戦として参加しました。
21km1000mD+以下というショートのコースプロファイルだったので、ちょうどいいだろうと思って参加を決めました。

<補給>
ジェル2つ摂取しました。
水1.2リットル持ってスタートしたけれど、500mlも飲んでいません。

<走りと所感>
前日、想定外に、13kのロングジョグしたことが響き、疲れたままレースに突入しました。最初の500mで体力使い切った感じでしたが、景色がサイコーでした。特に賤ヶ岳の山頂から望む琵琶湖と余呉湖が美しすぎて、初めてレースなのに景色を撮りたくて足を止めたほど。このように「走って通過するのがもったいない」と思えるトレイルに、たまーに会えます。名残惜しさ満点でした。次は登山で歩いて来たいです。
賤ケ岳以外のトレイルでも、景色がどんどん変化するので飽きません。

帰りの余呉駅では、走った山並みが一望できて、これがまた離れがたい景色。

それにしても、滋賀の山々はトレイルが分かりにくく「こりゃ夜はロストしそうだ、難易度高い」と改めて思いました。UTMFは完走したけど、lake biwa100は高嶺の花です。滋賀一の山なんて、どうなってしまうんだろう。ルートファインディングの技術が必要だと思います。

<ルートマーキングは少な目>
前半の山パートは、ちょっとマーキングが少な目で、道に迷いそうになりました。ロストした人もいたと思います。GPSでルートをダウンロードしておくことをおススメします。
エイドがひっそりとしていたのか、人が少なかったためか、エイドの場所が分からずスルーしました。無補給でも行ける距離なのでエイドに寄るつもりはなかったけれど。

<ゲストランナー>
北田雄夫さん、というアドベンチャーランナーがゲストでした。
足の筋肉を見たら、本当に鍛えられている。しかも意外と背が高くてびっくり。
私も足は筋肉がついたと思っていたけれど、北田さんの足を見ると、まだまだ私の足はたるんでいる、と思い知らされました。

<記録アップを目指すなら>
このコースは、後半の賤ケ岳パートがすぐ終わってしまうと思いました。
だから、前半のトレイルと、中盤の余呉湖1周を、どれだけ「しっかり走る」かで決まると思います。それをするためにも、次また参加するときは、万全の体調で臨みたいです。

感染症予防計画の独自性

感染症予防計画策定の目的が、「連携すること」ではなく「独自性を出すこと」に少しずつ成り下がっている。

「作るのは、都道府県、保健所設置市、それぞれなのだから、独自の取り組みはなくていいのか?独自性を出せよ」と言われ、そのことが目的化していっている。

「独自性」とかいって、何かやれてる気になったところで、感染症に国境はない、県境もない、市町村すらないのだから、区市町村のそれは「独自の対応」ではなく「独りよがりの対応」になるだけだ。サービス充実させますとか、宿泊施設を使えるように大盤振る舞いしますとか、民間の会社とたくさん協定を結びます、とか。
もし何か独自の対応があるとすると、それは「できる対応」ではなく「できない対応」です。「うちの市町はとてもじゃないが独自にはできません、という独自性」を出して、計画から削る。そして連携協議会で助けてもらう、これが意味のある会議です。

一方で、「できることを増やす」独自性がそんなに大事なら"連携"協議会なんて要らないのだが、こーいう「そもそも論」って、とことん無視されるのよね。「うちはこんなに独自性の高い計画を作りました!と言うこと」が目的になっているので、本当に始末が悪い。独自性を出せば乗り切れる健康危機なら、そもそも計画なんて要らないじゃん。

そして取りまとめ役が不在な都道府県(特に保健所設置市をいくつか抱えるところ)では、上から言われる「独自性」と、現場で分かる「汎用性」とのせめぎ合いが起きる。こういうムダな作業は本当に疲れるし、何も生まない。私は「せめて担当者同士では、歩調を合わせましょうね」と言ってきたけれど、はたしてどこまで担当者が各々の現場で抗えるか。

「独自性を出すことが難しければ、せめて検査件数とか、職員数とか、目標値を上乗せできんか」という話にもなり、心底がっかりする。そんな数字遊びには何の意味もないことを、コロナ対応した保健所が一番分かっているからね。数字をかさ増しすると、今度は「その数字の根拠は?」なんて言われる。いや、数字を足せといったのはアンタやろ。

こんな作業が津々浦々で起こる「計画」の舞台裏。

都道府県レベルでも「これがうち独自の取り組みです」と、がんばっちゃうところが出てくる。でも、この感染症予防計画の成功例は、独自性など求めず、汎用性があるように計画は指針通りにさらっと作り、計画なんて置いておいて、いかに実際の連携を動かすかにフォーカスできる都道府県だと思う。

セカンドベストは、言われる通り独自性を盛り込んで(戦わず)、でも実際の都道府県内での連携を充実させること(いや、これが難しいんだけど)。
ようは「計画倒れの計画」にしたくないだけなんだけどね。

日本で、医療機関が受診拒否することが一般化しなければ、もうちょっとマシな計画(理念ばかりではなく実務の計画)になったとも思う。

2023年10月3日火曜日

健康危機管理における「公衆衛生に必要な人材」に対する「訓練」への提言(感染症対策を例に)

<必要な人材を論じるよりも前に>
いきなりで申し訳ないのですが、「健康危機管理における公衆衛生に必要な人材」を論じるよりも前に「そもそも健康危機管理において公衆衛生は、どこに向かって、何をするのか」が最も大事です。
「健康危機管理」には、テロや戦争も入るのですが、それが危機管理に必要だからといって、ハイそうですか、と「戦時における公衆衛生に必要な人材」を論じるワケにはいきません。なぜならば、その前に「戦争に全力で反対する」のが公衆衛生だからです。「戦争に至る芽をあらかじめ摘む」のが公衆衛生だからです。公衆衛生の「危機管理」は「戦争という危機が訪れることを防ぐ」ことを何より使命とするからです。
だから「そもそも健康危機管理において公衆衛生は、どこに向かって、何をするのかが最も大事」になるのです。「戦争」を例に挙げましたが、これは戦争には限りません。

<よく言われる「必要な人材」像>
さて、よく言われる「公衆衛生に必要な人材」では、例として、メディア対応ができる・政治家と渡り合える・多職種をまとめて事業を進めていける・オールハザードに対応できる、このようなことを指して「人材」と言いますが、これって、人材じゃなくて、スキルです。
一方で、コロナ対応を見るかぎり、最も評価された対応は、必要性よりも安心感を与え続けることでしたし、最も評価された「人材」は、イエスマンでした。つまり「長い物に巻かれる人」でした。
でもね、公衆衛生がやるべき仕事や、必要な人材って、そーいうものではないでしょう?

いや、ひょっとして、日本にはまだイエスマンが必要、ということかしら?

・・・。

<感染症のことだけを考えているワケじゃない感染症対応>
保健所におけるコロナ対応の仕事は「感染症のコントロール」だけではありませんでした。よくメディア等で「流行の山を抑えてなだらかにするための対策」という話があったと思いますが、保健所は「感染者の総量を減らす」ことをNo.1の目標にしていたワケではありません。「最終的に感染症がまん延したときにも、医療提供体制が維持されている」ことが目標でした(割と早い段階から)。だから、住民にも医療機関にも、過度に怖れてほしくなかったですし、本当に必要な人だけが受診してほしかったし、検査適応も絞るべきだと考えていました。ところがコロナでは、そういう保健所の思いとはすべて逆に進んでしまいました。その結果、感染症とは関係のない一般医療まで割と早くから逼迫する事態になりました。自殺者も増えたし、お店は倒産したし、感染者バッシングを防ぐこともできませんでした。
その結果、「クラスターの発表」とか「議員からの質問・要望」とか、それこそ「感染症のコントロール」とは何の関係もない仕事が大量に発生し、自治体職員は疲弊していきました。

<訓練先行にすると目標の立て方は話し合われない>
「研修・トレーニング」には、その研修が目指す「目標」があると思います。でもNCGM、NIID、医療機関、自治体、国民、それぞれ、「どういった目標が妥当なのか」については、話し合ったことがないと思います。コロナでは「もうこれくらいでヨシにしよう」とか「高齢者の死亡はある程度は仕方がないよね」という話にはなりませんでした。同じく「コロナ抑制のために、若者の精神的な死はどこまで許容されるか」ということも話し合われませんでした。
いま訓練を実施すると、感染は徹底的に抑え込むという目標が最初から設定された訓練になってしまうでしょう。
私は、訓練をする前に、そもそも、感染症への対処の「意思決定」や「対処の方向性」を、改めておく必要があると思っていますが、訓練ではこのステップが飛ばされてしまいます。何を「成果」として考えるか、組織同士でまったく考え方が異なるのに、です。
それの何が悪いのか。コロナワクチンを例に言うと、市町村ではワクチンは「打つキャンペーン」ばかりしてきました。その結果、自治体職員は「数を稼ぐ+パフォーマンス」の必要性に迫られ、効率の悪い集団接種会場を作って運営することになりました。打ちたい人があまりに同時に来たために、予約窓口がパンクして、新たな苦情を生み出し、対応に迫られました。1本ムダにしたら廃棄の記者会見となり、集団接種のためのワクチンの奪い合いにもなってしまいました。つまり「打つキャンペーン」は、キャンペーンで終わり、にはなりませんでした。そして、いまやワクチン被害者救済申し立ての手続きをしています。
「感染症を徹底的に抑え込む」という目標設定で訓練をしても、現実には、必ず派生した対応が次から次へと出現していきます。我々は、Outputばかり求められる訓練ではなくOutcomeを出す事前の準備を最も欲しています。

<欲しいと考えているのは、人材なのか、スキルなのか>
訓練を提供する側が欲しているのは、人材なのか、スキルなのか、これは混同せずに明らかにしておいた方がいいと思っています。
たとえば、科学的根拠を参照できる、とか、メディア対応ができる、とか、リスクコミュニケーションができる、ということを訓練項目に挙げると思いますが、これらはスキルですね。訓練すれば身に付く能力です。
一方で、社会の反応に警笛を鳴らすことができる、とか、ワクチンの一方的な押し売りはしない、とか、首長にも議員にも臆せず意見を言う、とか、コロナの患者数に一喜一憂するのではなく医療提供体制の全体像から律速点を探し出して手が打てる、とか、このようなものが「人材」だと思っています。訓練してもそう簡単には身に付かない能力ですが、「スキル」を訓練するよりも、「人材」を育成する必要があります。
私は「スキル」よりも「人材」を欲しています。特に上層部に対して「人材不足だ」と思っていますが、詳しくは下のほうで述べます。

<自治体ではすでに人は減らされている>
コロナ対応のために多くの自治体が担当者を増員しました。
コロナが5類になったからといって問題が解決したワケではありませんが、まず多くの自治体で、コロナ対応部署は解体したか、遅くとも令和6年度には「コロナ前の水準」にまで担当人数を減らすことになると思います。
どの自治体も、仕事は増加の一途なのに、職員は不足しています。感染症にばかり人を割くことはできないので、また新たな事態が発生するまでは、感染症担当は「コロナ前の水準」にまで人員を戻すところが多いのではないでしょうか。つまり「新たなことに取り組む余裕がない」可能性が出てきます。
ほか、自治体内の特徴としては以下の通りです。
・3年間ずっとコロナ担当だった人は稀です
・ジョブローテーションの関係上、今後はコロナ対応を経験した職員が感染症担当からいなくなります
・新たな感染症発生時にコロナと同じように対応しようとすると、自治体もまた1からコロナと同じ対応をすることになります(マニュアルなんてないし、あってもその都度対応だし、人はみんな替わってしまうし)。
・「コロナの反省」を作りたいのですが、あまりに長期かつ大量すぎて、次の糧になるものはほとんど作られないと思います。
・人が減らされたあとは「役割分担をしっかりしてね」という話にさせられます。でも問題は役割分担の出来不出来にあるのではなく「オペレーションの中身」です。

単に人を減らされるのでは「コロナ前に戻るだけ」になってしまうので、せめて数人の職員を確保するために「健康危機管理室」のような部署を立ち上げる自治体もあるでしょう。看板を掲げると人が確保しやすいからです。

<医療機関は保健所への依存度を強めている>
コロナで受診調整、入院調整、物資調達、住民苦情の対応etcを、保健所は担ってきました。正直「なんでそんなことまで保健所に聞くんだ」という問い合わせも医療機関から多く入ってきました。コロナの3年間で、医療機関の自立性が損なわれたと思っています(なんでも保健所に聞いてくる、自力で何とかしようとしないetc)。
「災害時にも保健所が受診調整するんだよね?」と言われて絶句したことがあります。災害時に保健所が患者1人ずつ調整していては、トリアージなんて不可能なのですが。

<都道府県で必要な人材・訓練>
都道府県の人材には、県内の対応を一元化する、とか、取りまとめ役になる、ということを期待します。でも正直、そんな人が1人や2人だけ都道府県にいても、国の方針でせっかくの努力が吹き飛んでしまったり、各関係団体が非協力的だったりして、何にもできませんでした。
「知事に対して臆せず意見を言える部長」とか「医師会に対して叱咤できる感染症医師」とか、そーいう人が本当は欲しい、そういう人材を求めているけれど、今の日本では、知事や医師会側に受け入れる度量がないので、ムリですよね。「本当に必要な人材」は「首が飛ぶのを怖れて存在しない」のかもしれません。
繰り返しますが、最も不足しているのは「知事・部長」といった組織ごとの「統括レベルでのまともな人材」だと思っています。決して「実務職員たちの能力」が足りないのではないと思います。

<市町村自治体で必要な人材・訓練>
およそ「都道府県」と同じです。
市町村自治体は、ただでさえ人材不足です。「コロナ前の水準にまで人を減らされる」のは書いた通りです。さらに自治体職員は基本的に真面目なので、すべてに対応しようとしてしまいます。でも、高齢者がますます増え、働き手がますます減るこれからは、住民の要望に全部答えていくことは不可能で、職員の離職を防ぐためにも、仕事の優先順位と取捨選択をする必要があると思っています(特に災害対応)。

1.要望に全部答えようとすると職員がパンクするので、仕事を棄てること。
2.「要望に応える」のではなく「成果・結果」を志向すること。
3.そもそも「公衆衛生」は、何を大事に考えるのか、日ごろから意識すること。
こんな訓練ができたらいいなーと思っていますが、ほとんど「メンタルトレーニング」なのかもしれません。

<医療機関を相手にした訓練を、やってもらえると助かります>
地域全体で患者を診ていくには、患者を1つの病院に集める方法ではコロナの二の舞になるので、最初から「地域全体で患者を診ていきましょう」という話にしておかなければなりません。そうであれば、当然、地域の医療関係者全員がタイベックを着るなんてムリだと分かるし、入院調整をすべて保健所がやり続けるなんて誰のためにもならないことが分かると思います。
でも、新たな感染症が発生した場合には、コロナの経験を踏まえると、本当に多くの医療機関が「まずは受診を断る・あとは保健所に指示を出してもらうまでは動かない」という対応になってしまうでしょう。「地域全体で患者を診る」には「やりすぎない感染症対策」が必要だと思っています。コロナで医療機関の感染症に対するハードルが上がってしまいましたが、一度上がったハードルを下げる訓練を、医療機関向けにやってくれると、自治体としては大変助かります。このような訓練は、自治体が医療機関にやるワケにはいかず、医療機関同士でやってほしいと思っています。

<都道府県でのご意見番医師やDMATのブレインに向けた訓練も、やってもらえると助かります>
「医療機関向けの訓練」と同じ理由から、都道府県でご意見番になる医師やDMATに向けた訓練も、やってもらえると良いなと思います。さらに、これらの人たちには「自分たちの発言や行動の重さ・影響力」や「会議での影響力の発揮の仕方」等を知ってほしいと思っています。
ご意見番医師やDMATのブレインには、ぜひ以下のことを知っておいてほしいです。
・知事は、知事責任で決定することを嫌う。知事は、医師会の顔色も伺う。
・ご意見番医師が務める医療機関のやり方を模倣して地域の中核病院が動き、地域の中核病院のやり方を模倣して市町村の医療機関が動き、地町村の医療機関のやり方を模倣して県下の介護施設は指示に従う。
・大きな方針は国が決めますが、都道府県下で医療提供体制をスムーズに回すには、都道府県での舵取りが重要です。そのときにご意見番医師が「こうしよう」と号令を掛けられるか、ただ現状を追認するだけか、この違いが、かなり結果に影響を与える。
・医療提供体制をスムーズに回す青写真を描いて、号令をかけることができるのは、ご意見番医師やDMATのブレインです。

<まとめ>
訓練を企画する前に、そもそも「目的は何か」をはっきりさせておく必要があります。
コロナで言うと「死亡率を下げること」が「最も大事な目的」のように言われますが、それは必ずしも正しくありません。「コロナに固有の死亡率」なんて存在しないし、感染症の死亡率はその地域の社会構造によって変わってしまいます。年代別に言えば「高齢者ほど死亡率が高い」のは「当たり前」だし、社会構造上、防ぎようのないこともあります。そのことを忘れて「死亡率を下げること」を目的にすると「三次救急にコロナ患者が集中する」ことになってしまいます。これが何度も繰り返してきた「医療崩壊」です。

感染症対策≠公衆衛生対策
都合の良い人材≠必要な人材
感染症の専門家≠公衆衛生における感染対策の専門家

これらのことを念頭に置いて、「結果」を志向していく必要があると考えます。

2023年9月29日金曜日

感染症対応の目標設定に関する思考実験(単なるメモ)

・「根絶」が目標になる感染症と、「共生」が目標になる感染症がある。
ほとんどの感染症は「根絶」できない。「根絶」も「共生」もできない感染症もある。

・「根絶」できるかもしれない感染症は、「世界的に」根絶しないと市町村レベルでは何ともならない。つまり、住民レベルでは何ともならない。

・「感染症の罹患率を下げる」という目標→理想ではあるが、ゼロにはできないし、市町村でコントロールできない。

・「死者数」は指標にならないし「死者数の低下」は目標にならない。死者数は、感染症そのものの毒性の強弱によって決まるのではなく、その社会構造によって決まる(感染症が判明してから取り組んでも遅い)。

・結核のように、長期的には「死者数の低下」が目標になり得るが、やっぱり「共生」する感染症では、必ずしも「死者数の低下」が目標とはならない。

・感染症にかかっても医療へのアクセスができる→でも不要な受診は控えてほしい→高齢者増加で供給が追い付かない→医師も高齢化するので、医療提供体制はカツカツっていうか、維持ムリかも。

・医療提供不能なら、理想は「感染症にかかっても簡単には死なない身体でいる」こと。

・感染症の知識がなくても予防が必要な感染症は予防できている、という状態が必要

・だから、強いて言えば、↑ということを、分かってもらうことが目標・・か。
でも「分かってもらってなくても」べつにいい・・か。

・とすると「分かってない人」が誹謗中傷したり大騒ぎしないことが目標・・か。

・エンドポイントは?どんな結果が得られればいい?

・感染症の知識がなくても予防が必要な感染症は予防できている、という状態が必要。
例)コレラのことを知らなくても、下水道の整備によってコレラは予防できている。

・やっぱり「感染症にかかっても簡単には死なない身体(集団)でいる」こと。

・じゃあ、必要なのはそこに至るまでの中間目標?

・クラスター対策?→「クラスターの発生」そのものを予防したいワケじゃない。

・目玉焼き理論で考えると→それぞれの帯の予備力を高める。目玉焼きを大きくする(密度、距離、速度=伝播時間)
密度=人口
距離=密集具合
速度=動き

・でも↑こうやって考えると、また「三密回避が目標」とか言われる。それは目標ではないし、手段の1つでありえても、絶対必要な手段でもない。

・目標設定や目標管理のためには、調査がマストなワケじゃないし。

・「目標を設定することが目標」ではない。

・性感染症に関する知識啓発と普及→同じ話。知識レベルが目標にはなり得ない。

2023年9月21日木曜日

保健所が担う公衆衛生について

導入:病院で働くことも、開業も、研究も、行政や企業で働くことも、地域医療であり、国際保健であり、公衆衛生です。

魅力:その中にあって保健所の良いところは「保健所でしか救えない人がいて、その人にアプローチできるのは保健所で働くあなたしかいない」ということです。

目標:将来的には、そんな「保健所でしか救えない」状態を改善し、保健所以外のシステムで救われて行くようにしていくことが、保健所の目標です。そうやって、保健所は「社会のリスクヘッジ」をし続けることが使命です。

2023年9月20日水曜日

コロナの行政検査を継続とすることについて

・事務連絡:新型コロナウイルス感染症の令和5年 10 月以降の医療提供体制の移行及び公費支援の具体的内容について

事務連絡にいちいちツッコミを入れることに疲れておりますが、日本の感染対策が相変わらず「クラスター対策」「ハンマー&ダンス」なので、改めて指摘しておきます。
このような対策は、役に立たないどこか、感染症発生時の医療提供体制を維持していく点において、有害であることを申し添えます。

<事務連絡p34>
「なお、特にクラスター対策などの場面では、早期に感染状況を把握し、その後の感染拡大をなるべく防止する観点からも、行政検査の迅速な実施が重要である。」

<ツッコミ>
・3年やってきた「クラスター対策」の有効性はそもそも不明です
・コロナは「早期に感染状況を把握」することが役に立つ疾患ではありません
・検査が感染拡大を防ぐワケではありません
・検査の手段は行政検査だけではありません
・そんなに早く検査したけりゃ、検査キットを自分で用意すればいい

何度も言っている通り
コロナ対応の目標設定が間違っています。
目標は「感染を早く見つけること」でもなければ「見つけて叩いて感染連鎖を断ち切ること」でもありません。これは「不可能で意味のない目標である」ことを認めて、3年分の反省をしなければなりません。

この事務連絡に限らず、他にもツッコミを入れたい内容は沢山あります。

たとえば
なぜ未だに「コロナ患者」というだけで「入院させたら病院に毎日補助金が出る」のでしょうか。もともと入院していた患者が院内感染でコロナになっても、同じように病院に対して補助金が出るんやで?院内感染は防ぎようがないし、検査すれば患者は出るし、もともとの保険診療の収入はあるのに。

・重症度ではなく検査結果で入院の可否が決まる
・病床の空き状況ではなく補助金の有無で受け入れが決まる

こんな医療提供体制、おかしいと思うんですけど、ね。

2023年7月21日金曜日

そもそも論をスルーしてきた結果

いまだに会社の中には
「コロナになったら、5日間休んでもらうことになっている」
「だからコロナかどうか医療機関でPCR検査してもらってくるように」
「それまでは出勤停止」
と社員に言ってるところがある。

軽症で検査目的なので、医療機関は、当然、断る。
受診できない社員は、出勤できないから、困る。
だからって保健所に相談されても、もっと困る。

悪いのは、会社でも、社員でも、保健所でもない。
5類になったという「取り扱いの問題」でもない。
日本が「検査の適応」を話し合わずにスルーしてきた結果です。

「PCR検査を早期から沢山やれば予防ができる」としか言ってこなかったけれど、検査を沢山することは、何の律速にもならないし、予防にもならない。
だって検査はそもそも100%正しいワケじゃないし、無症状の人までいるのだしetc。インフルエンザの予防ですら「検査が大事」なんて言ってこなかったのに(むしろ臨床診断まであって、のべつ幕無しに検査してきたワケじゃないのに)、本当にどうしてコロナから「検査」を増やすことばかり言うようになってしまったの。

そもそも「どんな予防」をしたいのかによって「何が役立つか」が変わる。それに「どんな感染症でも100%予防する」ということが「生きていく上で正しい」ワケじゃない。

だからこれは
「何が感染症対策となって、何が重要で、どこまでやるか」という
そもそも論をスルーしてきた結果です。

日本の感染症対策が何を目指しているのか
私にはまったく理解できないままです。

2023年7月18日火曜日

diagnostic heasitency:検査適応の有無すら考えることを拒む医療

もう色々と書いてる時間がないけれど、1つ指摘しておく。

「麻疹かどうか診断してほしい」
と言ってクリニックや二次病院が三次医療機関に患者を送るのは
本当にどうかと思う。
どうかしてると思う。

いや、そもそも
「麻疹検査の適応があるか否か」すら丸投げって
どーいうことよ?

そんな紹介状を受けた三次医療機関が
「麻疹と言われた以上、検査するしかない」
と対応するのも、どうかと思うけれど。

皮疹があれば全部、麻疹を疑うのか?
麻疹の除外は、問診と診察所見で、するものであって
麻疹のPCR検査は「麻疹を除外するための検査」じゃあないぞ?
疫学情報から麻疹が強く疑われるときの「確定診断のための検査」なんやで?

・・・コロナ前に、こんなことは起きなかった。
医療機関がコロナ後遺症に罹っている。

本当に麻疹の除外が必要で、日本では1例たりとも見逃されてはならない、とするのなら、麻疹はすべて検疫で引っかけなければならないし、そんなことは不可能だから鎖国が必要になってしまいます。
「麻疹の検査適応」を、きちんと整理しておく必要がある。

麻疹のPCR検査は
「確定のための検査」であって
「否定のための検査」ではない。
「麻疹だったら困るから否定のために検査しておこう」という類の検査ではない。

麻疹の診断も同じで「麻疹は除外しておこう」という類の疾患ではない。

麻疹のPCR検査は「麻疹を疑う場合」になされる。
「麻疹を疑う根拠」は「皮疹」ではない、皮疹があれば何でも麻疹を疑うというものではない。
「麻疹を疑う根拠」は「麻疹に特徴的な発疹+発熱+カタル症状」がある場合であり、疫学情報も加味される。
このような「麻疹を充分に疑う根拠がある」ときに「PCR検査を行う」のです。

なんでもかんでも検査すりゃあ良いってもんじゃないし
検査適応の有無すら考えることを放棄するほど難しい疾患じゃない

どちらもやっていることは「発熱患者お断り」と同じことです。

2023年7月7日金曜日

なぜ「医療の本来業務」を協定にしなければならないのか

感染症発生・まん延時の医療体制を構築するために
これから都道府県が医療機関と「協定」を結ぶのだが
最初から、どうにも違和感がある。

1.病床確保
2.発熱外来
3.自宅療養中の患者への医療提供
4.転院受け入れ

こーいうのってさ
そもそも「医療の本来業務」なんじゃね?

わざわざ「患者の健康観察」も協定を結ぶけど
ホントは協定なんて無くても
普通に医療を提供すればいいんじゃね?

だって
「悪くなったらまた来てください」
って言うやん。

「悪化したら再診を」
ってカルテに書くやん。

応召義務を持ち出すまでもなく
コロナ前は、当たり前にやってたやん。

たとえば「エボラを疑う患者の特別な1床」を確保するために
特別な協定を締結するのなら、まだ話は分かります。

でも、いま作ろうとしているのは
患者増加時に「なるべくたくさんの病床」を確保するための協定です。
ついこの前の冬に必要とした最大病床数(令和4年12月)を確保するための協定です。

それって、もう「一般医療」やろ。

いや、現状では
大人の事情を斟酌すると
協定の必要性は理解できる
協定の必要性は理解できるけれども

だから
そもそも、なんでわざわざこんな協定を締結せにゃならんのだ
ってところが「スルーされている」のは、なぜだろう?と思うのです。
コロナのように「まん延する病気は一般医療で」という話し合いすら
なされないのは、なぜだろう?と思うわけです。

・・・なんで?

だから
協定する医療機関が「患者を診てやる」という態度で来る。
協定外の医療機関が「オレは関係ない」という態度で来る。

コロナで繰り返したことだけれど
これじゃあ医療提供体制の構築には程遠いわ。

2023年7月6日木曜日

実名報道を求める目的

「コロナで学級閉鎖した学校とクラスの実名報道をしろ」
と、いまだに要求される。

「学校名を知って流行状況を把握して診療に活かす」
と、大義名分を並べられる。

「名古屋はちゃんと公表してるのに、なぜやらないんだ」
と、言われる。

でもね
我々は知っている。
そして何度も経験してきた。

そんな情報は、何の役にも立たないどころか
風評被害を生み、差別と偏見を生むだけに収まらず
受診拒否すら発生することを、経験してきた。

コロナの流行なんて全体のトレンドだけ分かれば充分だ。
この3年間に「場所」なんて意味があっただろうか?
ある学校で流行したときは「その地域全体が流行したとき」だったではないか。決して「学校が、特定のクラスが、流行の震源地」ではなかったはずだ。クラスが学級閉鎖するのは「クラス」で括って観察した結果、そう見えるだけ。あるいは、地域の流行の結果、クラスでも拡がっただけ。
でも児童生徒は、決してそのクラスだけで生活しているワケじゃない。地域も都道府県も簡単に越える生活圏の中にいる。そのクラスを封じたところで、流行が収まるワケじゃない。

そして、もはや検査も診断も、集団としては意味のないものになっている。だって、診断されてない人、いっぱいおるやん。

しかし
実名報道すれば、必ず、いまでも風評被害が起こる。
◯◯小学校のお子さんは休んでください、と。
そして受診拒否まで起こる。
実名報道を求める人は、本当はそれが目的なんじゃないか、とすら思う。

だからこそ、実名報道するワケにはいかない。
この世の中は、そんなに優しくないからこそ、患者となった児童生徒をさらに苦しめるようなことは、させるワケにはいかない。
でも、こーいう対応こそ、本当はADBやNIIDが率先して「実名報道はやめましょう」って呼びかけるべき内容なんじゃないですかね。全国的な問題なんだから。そもそもコロナを騒動にしたのは、だよ。

なんで相変わらず保健所が個別にこんなことで東奔西走しなきゃならんのだ。
おかげで本来の一次予防ができないまま。

"感染症対策"って、一体なにを成し遂げたいのでしょうね。

2023年6月24日土曜日

エイズ拠点病院がHIV患者の初診を受けるための解決策

日本には、エイズ拠点病院であっても、HIV陽性患者の初診や処方ができない施設がある。
本当は、HIV陽性患者の初診や検査・処方は、地元のエイズ拠点病院でやってもらいたい。
医療へのアクセス自体が、治療成績の向上に直結するから。

ただ、エイズ拠点病院は、かつてはHIV陽性患者の初診を受けていても、感染症内科医任せの診療になっていると、その医師が辞めてしまえば、HIV診療ができなくなってしまう。
献身的な個人に依存する診療体制は、やる気のある医師がいないと立ち上げられない、かつ、診療体制が組織として長続きしない、という問題点がある。

それどころか最近では「HIVは誰もが診られる疾患なのだから、わざわざ拠点病院がHIVの初診やフォローをやる必要性がない」とも言われる始末。
一度、患者を診なくなった拠点病院では、ノウハウや文化が失われ、HIV診療再開の目途を立てることすらできない。

そこで、都道府県と地方ブロック拠点病院が、エイズ拠点病院に対して「診療体制構築のハードルを下げる支援」をするしかない、と思っている。
具体的には、何科の医師であっても、電カルを開けばHIV患者の初診から診られるようにハード面を整備する、ということです。

電カル上に
・HIV患者初診用カルテを作る
・初診採血セット、フォロー用採血セットを作る
・処方セットも作る
・採血で何の異常値が出たら地方ブロック拠点病院に紹介するのか表示させる

これくらい、診察内容を「誰でもできるように」パス化した内容をすべて電カルに入れてしまう必要性があるだろうと考えている。
なんならAIを使ってもいい。これくらいハードを整備して「医師の心理的なハードルを下げる」必要がある。

本当は、ハード面がいくら整備できても、それだけでは満足できる診療体制にはならない。
スタッフを確保してHIVの教育をして、MSWが患者の医療費相談に乗れるようにして、薬剤師が内服の助言もしてetc、というチーム作りが必要ではある。
そういうソフト面の整備も必要ではある。ただ、すべての体制整備をソフト面に頼ってきたために、エイズ診療をする医師がいなくなると誰もやらない状態になってしまった。もはやソフト面に頼り続けても埒が明かない。

HIV患者がますます減って、医師が患者を診る機会が少なくなっても、マニュアルを見ればできる、電カルを開けばできる、という体制を整備する必要があると考えている。
まずはここから。

2023年6月23日金曜日

キリのない感染症対策がもたらす未来

学校の全教室に
「HEPAフィルタ付き空気清浄器を配置してほしい」
という話がある。

…い、いや~。

私は、これ、"やりすぎ"でしょ、と思うのだが、もう、そんな議論にはならないのだろうか。もう、こういう動きを止める話は、出てこないのだろうか。
ツッコミ所は種々あるが、最も気になるのは目的の部分。
「そこまでして感染症を防ぐ必要があるのか」という点だ。

コロナではずっと「どこまでの感染を許容するか」という合意形成をしないまま「感染症対策が大事だ」という返答だけが繰り返されてきた。「感染症をゼロにはできないが、感染症の対策は引き続き求められる」という言い逃ればかりなので「もうこれくらいでヨシにしておこう」という話にならずにきた。

だから手指消毒用アルコールが当然のように常備されるようになり(手洗いはどうした?)、今度は空気清浄器を全教室に配置する話が出てくる(目指すは無菌室か?)。そして"感染症対策"に歯止めがかけられない。
「医者の背後にある空気清浄器がうるさくて、診察室で先生がマスク越しに何を言ってるのか、ちゃんと聞こえない。」という医療相談まであった。まったく、笑い話にもならない。

現在、登下校時の小学生がいまだにマスクをしている。
「マスクは個人の判断だから、外すように強くは言えない」と大人は言う。「各家庭の事情もあるし」と他人事のように言う。
でも、ちょっと待ってほしい。そもそも、恐怖を植え付けるほどに同調を求めて「マスク、マスク」と言ってきた。その結果が今のマスク姿だのに、いまさら「外すように強くは言えない」なんて、ズルくないだろうか。

学校の全教室にHEPAフィルタを設置する流れから
・次は教室を個室にしますか
・なんなら完全個別授業にしますか、
・いっそ全部webでのタブレット授業にしますか
・そもそも建物がなければ感染症は発生しないですよ
・アプリで教育すれば、先生も不要だし、教科書もデジタルで、コスト削減にもなって一石三鳥です
なんて話が出てくるのは、そう遠くない未来だと思っている。

現場でどれだけ反対しても
知らないところで決まっていくことが多すぎる。

"感染症対策"をやり続けて
私たちは一体、子ども達の何を涵養しようとしているのだろう。

これが本当に公衆衛生なのだろうか。

2023年6月14日水曜日

【誤謬の指摘】結核・非結核性抗酸菌症を日常診療で診る:「就業制限と解除」の記載について

下記書籍の「就業制限と解除」について、誤謬あるいは誤解される表現を見つけたので、指摘しておきます。
この指摘は、あくまで「書籍の内容」と「現状のルール」に齟齬があることだけを指摘したもので、書籍自体を否定するものではありません。

・書籍
結核・非結核性抗酸菌症を日常診療で診る
すべての臨床医が知っておきたい、診断の進め方と治療の基本
佐々木結花/編,特定非営利活動法人 非結核性抗酸菌症研究コンソーシアム/編集協力
2017年03月27日発行 B5判 207ページ ISBN 978-4-7581-1802-6

・指摘箇所
p93<就業制限と解除>
「(就業制限を通知する)業務は、教師、保育士などの教育関係者、医療従事者、理・美容業、飲食店などを指す」

1.まず「就業制限対象職種」には、感染症の種類によって規定があります。
たとえば、腸管出血性大腸菌(O-157など)の場合は、「飲食物の製造、販売、調製又は取扱いの際に飲食物に直接接触する業務」に対して、一定期間従事してはならないという「通知」がされます。したがって、たとえば「教師」は飲食物を取り扱わなければ、就業制限とは関係ありません。
一方で、結核の場合は、「接客業その他多数の者に接触する業務」に対して、一定期間従事してはならないという「通知」がされます。書籍では「教育関係者、医療従事者、理・美容業、飲食店などを指す」と記載されていますが、結核の就業制限は「業種」で規定されているものではありません。書籍の記載根拠が気になるところです。

2.「その他多数の者に接触する業務」とは何を示すのか。
結核の就業制限は「業種」で規定されるのではなく、この「その他多数の者に接触する業務」すべてが対象です。ここでいう「その他多数」とは「本人以外の者」と解されています。つまり「1人でも接触する相手がいる業務」は、すべて対象です。
この点について疑問がある場合は、厚労省に問い合わせると良いでしょうが、1人でも接触する相手がいる場合は、就業制限の対象となる旨の答えを聞いています。

3.就業制限は「通知」でり「お知らせ」である。
よく「就業制限をかける」という言い方をしますが、「就業制限をかけるか否か」は「患者の結核が就業制限の対象となる状態かどうか」によって決まります。業種如何で決まるものではありません。
そして就業制限は「通知」であり「お知らせ」です。実際に働いているか否かに関わらず、「就業制限の対象となる状態にある患者」には、すべて、就業制限が通知されます。
働いていない乳幼児や、入所中の高齢者であっても、「就業制限は通知」します。つまり「喀痰の、塗抹、培養、核酸増幅法のいずれかの結果が陽性である患者」には、就業制限について「お知らせ」することになっています。
・参照:詳解 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 四訂版 p108-109

4.感染症審査協議会で審議する適否
「業種」を審議するのではなく「患者の結核が就業制限の対象となる状態かどうか」を審議するものです。つまり「無症状病原体保有者に就業制限をかける」ということのないように審議するのであって、「就業制限に当てはまる業種か否か」を審議するのではありません。就業制限の対象となる業務は、厚生労働省令で定められているものであって、感染症審査協議会が定めるものではないからです。
感染症審査協議会では、就業制限がかけられた患者の「喀痰の、塗抹、培養、核酸増幅法のいずれかの結果が陽性である」ことをきちんと確認することが求められます。

<結論>
・結核の就業制限は、業種によって規定があるものではない。書籍で「教育関係者、医療従事者、理・美容業、飲食店など」との記載は、誤謬or誤解を生む表現である。
・たとえ「接客業その他多数の者に接触する業務」を生業としていても、「その他多数の者に接触」しなければ、従事してよい。
・つまり、教師や保育士であっても、誰にも会わずに一人で作業するのならば、就業制限の期間内であっても、従事することができる。
・この書籍にある記載のような理解をした自治体は、誤った就業制限の取り扱いをしてしまっている。たとえば大分県のホームページには以下の記述があるが、この運用は誤りである。
<就業制限に該当する業務>
旅館、料理店、飲食店または接客業で客の接待、身の回りの用務、部屋の清掃等の業務、遊技場や娯楽場での客の取扱いに従事する業務、理容や美容に従事する業務、家政婦の業務、保母その他常時小児に接する業務、保健師や看護師、あん摩師等の業務等が該当する業務となると思います。
従事禁止の適否は、保健所に設置されている感染症診査協議会結核部会によって決められます。(引用おわり)

さて、結核による就業制限の取り扱いは上記の通りで、書籍の記載が誤っているワケですが
本当は「就業制限の是非」そのものや、運用そのものの是非を、再検討する必要があるだろうと思っています。

2023年5月24日水曜日

令和5年度第1回医療政策研修会への質問

【開催方法】Zoomを利用したストリーミング形式(ライブ配信+質疑応答)
      ※ 後日、厚労省YouTubeチャンネルにアーカイブ動画を掲載予定。
【日  時】令和5年5月18日(木)、19日(金)、24日(水)、26日(金)
【 テ ー マ 】第8次医療計画の策定に向けたポイントー医療計画作成指針よりー
【 対 象 者 】
・都道府県の医療政策(医療計画、地域医療構想、医師確保等)担当者
・指定都市、中核市等保健所設置市、特別区の医療政策担当者
・都道府県医療審議会の委員
・地域医療構想アドバイザー
・医師会等の関係団体や大学等に所属する公衆衛生等に係る有識者 等

<質問>

既出の質問でしたらすみません。

「一次医療圏の医療体制の評価・整備」は、二次医療圏ごとに協議し、医療計画の中に書き込まれるのでしょうか。
4市町で構成される当医療圏では、徐々に一次医療圏の医療提供が困難になりつつあり、二次医療圏の各分野に影響を与えつつあります。
ただし、いまは「一次医療圏の医療体制の評価・整備」を話し合う場がありません。一次医療圏の土台が崩れようとしている中で、二次医療圏の全体像ばかり話し合っても、医療提供が維持できるのか疑問に思っています。
ぜひ「一次医療圏の医療体制の評価・整備」を、二次医療圏ごとに協議し、医療計画の中に書き込んでほしいと思っています。

以下に、簡単に現状を説明します。
当医療圏では、一次医療圏の医療提供がマイナー科や救急などで先細っており、内科ですら新規開設が少ない現状があります。

救急を例にお示しします。
A市:耳鼻科、眼科、産婦人科、小児科の一次救急を維持することが困難になってきた。県外からも医師を呼んでいる。内科の一次救急も10年後に維持できるか分からない。
B市:休日夜間は全科で時短した。患者が三次救急に集中してしまい、患者をA市の三次救急に出さざるを得ない。
C市:すべて二次救急の病院で対応しているが、この病院1つに頼っている。
D市:一次救急は在宅当番医制だが、穴が開きつつある。平日夜間の診療をやめたい、という話もある。今後10年を考えると、閉院する医療機関も出てくるので、一次救急を在宅輪番で続けることはできないと思っている。患者はA市に流れるだろう。
全市:現状、二次救急の病院群輪番制を維持できなくなりつつある。

医師の偏在を例にお示しします。
A市:医師数は多いが、開業医の高齢化が著しい。
B市:医師数はそこそこ。
C市:医師数は少ない。
D市:医師数が少ない。新規開業はまったく見込めない。
全体:1つの二次医療圏として医師が充足しているように見えても、中身を見ると充足している地域、不足している地域の差が大きく、これが二次医療圏内の医療体制に影響を与えている。

救急に限らず、このままいくと、10年後には4市町の中で医療提供できない科が複数発生すると危機感を持っています。
解決策はいくつか考えられます、医療提供を広域化する、あるいは、4市の病院・救急等の機能を見直して集約する、などです。
ただ、これは大きな話なので、二次医療圏で協議する必要があると思っています。

地域医療構想、外来医療計画、医師確保計画、救急医療、小児医療、新興感染症医療すべてに関係するので、医療計画の中で「一次医療圏の医療体制の評価・整備」を協議できるようにしてください。

・・・

質問させていただいた「一次医療圏の医療体制の評価・整備」は、「外来医療計画」に最も関係するかと思ったので今回ここで質問させてもらったのですが、場違いでしたでしょうか。協議の場としては「地域医療構想」で話したほうが良いですか?

我々としては、危機感は抱いているものの、県が定める医療計画の中で、「一次医療圏の医療体制の評価・整備」という医療圏共通の課題をどこで協議すればいいのかが分からずに困っています。

2023年5月8日月曜日

レース振り返り:2023年4月21日~23日:Ultra Trail Mt. Fuji - FUJI 2023

<結果>
距離:約165km 約7500mD+(正確な数字が発表されていない)
itra上の距離:164km 7240mD+
GPS記録:167.21km 8009mD+(coros vertix2で公式gpsを使ってルートをたどった)
記録:40時間43分42秒(うち休憩が約5時間半、うち35分寝た)
順位:男子総合926位/男子完走1461人中/男子出走2055人中/男子完走率71.09%(FUJI totalでは男女あわせて2387人出走で完走率70.67%)

UTMF初出場、初100マイル、初完走。

<詳細結果>

<出場までの経緯>
ラン歴7年、トレラン歴4年で出場した。
UTMFに出場するために、私がITRAポイントを初めて意図して獲得しに行ったのは2021年のThe 4100D マウンテントレイルin野沢温泉だった。でもこの大会でコテンパンにやられて、当時は「100マイルのUTMFなんて絶対ムリ!」と思ったし、UTMF出場をいつかは叶えたいけれど5年後くらいだろうと思っていた。その後、コロナも始まってしまって思うようにITRAポイントを集められなかったし、なによりトレイルの経験値を積めなかった。夢のように漠然と「いつかは」と思っていたにすぎない。
本当はontake100やASO、信越五岳110kmといったロングの経験を通してITRAポイントを集めるつもりだったのに、それらをすべて飛ばしてしまった。だから今回のUTMFは想定よりも2-3年早い。正直こんなに早く出場できる日が来るなんて思っていなかった。ここにはITRAポイントの特別ルールが関係する。

<本大会エントリーに使用したITRA point>
1.2021-07-23 4100D Mount Trail - The4100D Mount Trail in NOZAWAONSEN 2021 Japan 62 km / 3270 m+ 12:32:15 ITRA point 3
2.2022-04-10 Okumikawa Power Trail - Okumikawa Power Trail Japan 68 km / 3390 m+ 13:07:53 ITRA point 3
3.Virtual UTMF 2021(1wkで160km走る):コロナによる特別ルールでITRA 6ポイント分に換算された
4.UTMF申込時点でのITRA Performance Index489、Best ITRA Score506

FUJIに出るための条件に「3年間に3レース以内でITRA10ポイント以上を獲得していること」という項目がある。
私がFUJIに出るために獲得したITRAポイント、および、申込時点でのperformance indexは上記の通り。コロナによる特別ルールでITRAポイントを満たしたことになっているが、この特別ルールがなければ実は「ITRA4ポイントを獲得する経験(100km前後)」が足りていない。その自覚があったので、申し込み自体にビビッていたし、私には本当に出走できる「資格」があるとは思っていなかった。2022年のUTMF終了後に、友人から「奥三河パワートレイル完走したんだから、virtual UTMFと新城を合わせれば10ポイント超えているよ、来年出られるよ」と言われて「えっ?そうなん?!」と知った次第である。
エントリーリストが発表されたら、この申込内容で第2ウェーブになったので、さらにビビることになった。

<大会前の練習記録>
2022/11 197km2375mD+
2022/12 163km3615mD+
2023/01 184km2330mD+
2023/02 179km4030mD+
2023/03 227km6306mD+

ここで言いたいのは「特別多く練習してきていたワケではない」ということ。よく50km走とか、100kmの経験とか推奨されるけれど、そんな練習はできなかった。この点でも「資格」があるとは思えず、自信はなかった。
それから試走はしていません。最後の杓子山だけでも行きたかったけど、時間が取れませんでした。

<大会前にやってよかった練習>
1.ナイト練(特に2月~3月の寒い時期に)。
2.必携品をすべて背負っての練習。

練習のために過去に時間を戻せるとしても、この2つを必ずやる。それほど「やっておいてよかった」と思っている。
寒い時期のナイト練は、UTMFの夜と状況がよく似ている。自分に合ったライトの装着方法や使い方、服のレイヤリングは、何度も試すと必ず改善する。私は厳密な「ナイト練」をやる時間がなかったので、2-3月の「朝練」で暗い間にライトを何度も試着した。
必携品の装着も、初めは「なんて重いんだ」と思ったけれど、不要なものを除き、パッキングを工夫して、必要なものは取り出しやすいようにできた。経験が浅い部分なので、装備関係もやればやるほど改善する。
もし、ぶっつけ本番だったら、きっとストレスが3倍増しになっていたと思う。

<大会直前の状態>
1か月前にハーフマラソンの関門ランナーを務めたら、左股関節を痛めた。さらに大会1週間前に、山の中で左足を捻挫してしまった(かなり痛かった)。回復に努めたが、治りきらずにUTMF当日を迎えた。
だから、ゴールできるイメージなんて皆無だったし、スタートすること自体が憂鬱で仕方がなかった。開会式は盛り上がっているのに、私は全然盛り上がれず、第1ウェーブの号砲を聞いても、どこか他人事のような、信じられない感じだった。どんな走りになるか全く想像できず、ゴール想定タイムなんて考えられなかった。スタートのテープを触って、応援に泣きそうになって、ようやく「よし、行くか」と腹をくくった感じ。「次のチャンス」なんていつになるか分からない、今回やるしかない、とも思っていた。

<走り:スタート~富士宮:23.8km>2:50:27
最初から飛ばしては疲れてしまうが、抑えすぎても足を使ってしまうので「自分がいつまでも走り続けられるペース」を意識した。心拍数で言えば「140以下」を目安にしていた。
30km先の第1エイドに到着しても、あと130kmはある。その意識で進んだが、暑かったので水は500ml飲んだ。
富士宮エイドでは水をしっかり補給して、バナナを食べた。そんなにお腹は空いてなかったが、もうちょっとしっかりここで食べておいてもよかった。
エイドの出口では鏑木さんが選手と富士山をバックに写真を撮っていて、行列ができていた。とても良い景色だった。富士山は、このエイドで見えたのが最後で、あとはほぼずっと見えなかった…。
出発前にサングラスをしまってライトを出した。

<走り:富士宮~麓:27.2km5:45:45
実はエイドの順番を正確には記憶しておらず、先ほどのエイドが「富士宮」であること、「富士宮を出たら、すぐ天子山地になること」を分かってなかった。天子山地の入口に来た時に「ここから天子山地の入り口でーす、4kmで800mアップでーす、ナイトハイク楽しんでくださーい」と言われて「あれ?ここから天子山地か。じゃあ、さっきのエイドが『富士宮』だったのか」と理解した。「ナイトハイクかあ…走りたいけど、登りはハイキングになるよなあ」と思った。このレース振り返りの記録を書くことで、ようやく地名やエイドの順番が整理できた。

それにしても、登りがキツイ。しかも周囲が速い。みんな歩いているのに速い。

一転して、熊森山からの下りは急斜面で、2-3回転んだ。暗くて足元が悪い、かといってまだ序盤だから足は変に元気だ。そんな具合だから余計な足さばきをしてしまったのだろう。2-3回は手をつくほど転んだし、痛めている左足もまた捻挫しそうになった。まだ50kmも来ていないのに、こんなところで怪我をしてリタイアなんて、残念すぎる。そんな考えが脳裏をかすめる。

どうにか無事に下山して麓エイド到着!
エイド内はたくさん選手がいて驚いたけど、UTMF関係の動画でよく見る景色のエイドで嬉しくなった。このエイドでは、バナナ、焼きそば、オニオンスープ、コーヒーを摂取した。このオニオンスープの美味しかったこと!お替わりした。長く走っていると、甘いものは飽きてくる。このオニオンスープのおかげで、出汁が効いた飲み物のありがたみを知った。
ほかには、麓エイドでだけドリップコーヒーが用意されていた。これもまた嬉しかったが、この先のエイドでもドリップコーヒーを探し続けてしまった(結果、インスタントしかなかったな、贅沢は言えないんだけどね)。

<走り:麓~本栖湖:10.3km>2:23:49
この辺りからコースの記憶が薄れていく。ただ、麓エイドで食べた焼きそばのおかげで元気に走れたことが分かって「ジェルや甘い物以外の物を食べることって大事なんだ!」とレース中に気づいた。本栖湖エイドは「お饅頭しかない」と聞いていたので、しっかりお饅頭を食べることだけを考えた。持参したおさかなウインナーも食べればよかったな。

<走り:本栖湖~精進湖:11.8km>3:06:55
初めて通る富士の樹海あたりで夜が明けた。森がとてもきれいだった。
精進湖エイドでは「田舎ぞうすい」が美味しくて2杯も食べ、コーヒーを飲んだ。ここでも、しっかり食べることって大事だと思った。体育館があって過眠している人を見かけたが、コーヒーがよく効いて眠くなかったので先を進む。横になって過眠したら、一体いつ起きるのか、自分はゴールするつもりがあるのか、分からなくなりそうだったので、仮眠室は使わないと決めていた。

<走り:精進湖~富士急:23.3km>4:13:28
精進湖エイドを出てすぐ、ロード5kmの登り区間になる。ここを「全歩きにしない」と決めていたので、いよいよ来たな、と思った。結果、4km以上は走ったと思われる。
富士急ハイランドのエイドでは、ドロップバッグを受け取って、着替えたり、荷物を入れ替えたりした。このドロップバッグの扱いと、富士急ハイランド内の移動に、思いのほか時間がかかった(ドロップバッグが重たくて、エイド内の移動が歩きになった)。
周囲を見渡すと、ドロップバッグにラーメンや歯ブラシを入れてる人がいた。これはナイスアイデア!しっかり食べられる補給食、口をサッパリさせる歯磨き、オススメです。
スタートが11時だったKAIを見送ってから、富士急を後にした。

<走り:富士急~忍野:16.0km>2:57:55
もう走りは覚えていない。あとから見返すと走れそうな山なのに、走った記憶がない、歩いたのか?忍野エイドでバナナを食べる。

<走り:忍野~きらら:12.3k>2:34:33
忍野エイドから飯盛山までの川沿いの道や田園地帯は、歩いた。3km弱の道のりだったようだが、ここは地図が頭に入っておらず、先を見通すことができていなかった。長く走ってきた後とはいえ、こういう道を走れないのはダメですね。
その後の飯盛山~大平山~平尾山、本当は眺めが良いらしいが、ガスって何も見えなかった。
きららエイドでは、豚汁、おにぎり、持参のウインナー等を食べた。とにかくお腹が空いて、エイドで食べると元気になることを学んだので、「しっかり食べよう」と思って食べた。豚汁がお替わり禁止で1杯しか飲めなかったのが残念だった。
もうすぐ夜になる、寒くなる。ライトを出して、長袖長ズボンを履いた、これは良い選択だった。

<走り:きらら~二重曲:13.5km>5:01:13
きらら~二重曲、二重曲~富士吉田の2区間は、振り返ってみても本当に強烈な印象が残っている。レースブリーフィングではUTMFの核心部と言っていた、その通りの展開になった。
まず、最初は絶好調だった。明神山からの登り、火山質っぽい路面が力を伝えさせない。それでも少し走りながら進むことができて、周囲の選手より早く山頂に着いた。もうすぐ日が沈む、振り返ると山中湖がとてもきれいだ(富士山は見えない)。
その後もしばらく絶好調が続く。絶好調の理由は「きららでしっかり食べたから」。自分でも驚くほど、食べるとこんなに違うものかと思った。走れる登りではなくても、どんどん進むことができた。
ところが、御正体山に達する前に、突然、気持ち悪くなって一気にペースダウン。ついには一歩も動けなくなって、見つけたベンチに座り込み、5分ほど目を閉じる。その間にKAIのスイーパーに抜かれる。さっきまでの絶好調がウソのような展開だが、これも理由は明らかで「夜になっても走りながら水分を必要以上に摂取したから」と自覚していた。
どういうことかというと、水分摂取は大事でも、夜はそんなに必要としない、ということ。汗で出ていくこともなく、喉の渇きを自覚していたワケでもない。ジェルを摂り過ぎると気持ち悪くなってしまうように、カロリー入りの水分でも同じことが起こる。知識としては分かっていたので少な目にしていたつもりが、まだ過剰だったようだ。あー、大失敗。ちょっと前から、飲むと変だなって感じていたのに。
そこから先の二重曲までは、もうダメかと本当に思った。稜線に出てもフラフラ、下りに入ってもフラフラ、二重曲まで着くことすらムリなんじゃないかと思った。失速してから1時間耐えて、二重曲エイドに到着。着いたこと自体に、本当に安堵した。
エイドのおじさんに「水分摂取で気持ち悪くなった」と言ったら「そうでしょ~、夜は飲んじゃダメだよ」と言われた。あら、分かっていらっしゃる。
次の区間のことを考えると、このエイドでも補給が必要だが、問題は「食べられるかどうか」。ここは座って食べる。おっ、いける、気持ち悪くならない。エイド内にいた看護師さんとも話をして、味噌汁を飲み、コーヒーも飲み、チョコパンを食べて、椅子に座ったまま15分寝た。

<走り:二重曲~富士吉田:11.8km>2:52:11
「きらら~二重曲」の失敗から、2つあるフラスコのうち1つはノンカロリーのメダリスト、もう1つはただの水にした(口を潤す程度にするため)。先ほどの区間とは異なり、ここのボスは杓子山1つ。絶好調とは言わないが、周囲と同じペースで進むことはできる、気持ち悪くもない。もうここまで来たら、絶対にゴールする。それしか考えていなかった。
とはいえ、杓子山までの道のりもまた長い。しかも危ない、落ちたら死ぬ。崖じゃん!鎖場じゃん!なんじゃこりゃあぁぁ!稜線に出ても、まだ杓子山に着かない、長い。森の中で嘔吐している人を見る、辛いよね。
ようやく杓子山に着いたところで鐘を2回鳴らした。暗闇の中、スマホで写真を撮影している人が大勢いたが、自分にそんな余裕はない。先を急ぐ。
杓子山からの下りも長い、走っているのに終わらない。途中でライトのバッテリーが切れる、予備を出す。途中でスタッフさんから「杓子の下りは暗いと長いんですよね~お疲れ様です」と言われて嬉しかった。
富士吉田エイドに着いた、はあぁぁ。ここでもお腹が空いていたので、吉田うどん、パン2個、おにぎり1個、紅茶、コーヒー、持参したおさかなウインナー1本を食べる。ここでも吉田うどん1杯しかダメで、お替わり禁止なのがつらかった。椅子に座ったまま15分寝る。

<走り:富士吉田~finish:14.7km>3:39:11
富士吉田エイドを出発してからのロードは市街地を下っていく。ほぼ全歩き、振り返ってみれば、こーいう区間は走りたかったと反省する。
寒い中、ロードの要所にはボランティアスタッフが立って案内してくれていた。もうすぐ夜明けだというのに、本当にありがたい。朝早いので、スタッフさんの案内声は小さめ、周囲に気を使っているのが分かる。私も精いっぱい小声で「ご苦労様です」と返す。
霜山の登り途中で夜が明ける。とりつきの斜度は、元気なら走ってる路面だが、ダラダラと長く続いて結局歩いた。
レースブリーフィングで「霜山の稜線の下りは気持ちよく走れる」と聞いて楽しみにしていたが、そんな区間はわずかだったなあ。天上山までも遠かった。富士急ハイランドが遠くに小さく見える。
トレイルを下りきったあとのロードもつらい、歩いてしまう。でも、徐々に沿道の応援が増えていく。嬉しくなって走る。走れる。富士急ハイランドの敷地内に入るとさらに応援が増えるので、歩いたら格好悪い、走ろう。「ナイスラン」と何度も声掛けをもらう。
フィニッシュゲート目前では、本当に多くの人が迎えてくれて、ハイタッチしながら前に進む。こんなフィニッシュは初めてで、自然と泣きそうになる。もう走れないはずなのに、身体が軽くなる。ウイニングロードは本当に泣きそうになって、涙をこらえる。
ゴールテープ!すべてが終わった、本当にゴールできたんだ。フィニッシャーズベストが信じられないほど嬉しかった。
涙をこらえるのではなく、泣いちゃえばよかったな。

<装備>
・The North Faceの商品は、本当にすごい。ウエア上下、長袖、防寒着をそろえたが、よく考えられた良い商品だと分かった。値段が高いことだけが難点。
コンタクトなので、目薬を持って行ったのは大当たり。砂埃が凄かったから、目薬がないときつかった。
・ワセリン必須!小分けにして持つ。陰部にも使える。内顆にも塗っておけばよかった。
・「アームカバーも途中で替える」という人がいた、これはナイスアイデアで、アームカバーも2枚用意するという発想はなかった。
・富士急ハイランドでは、トップスを着替えた、正解だった。
・ゼッケンベルト、ジップロック(鞄の中を整理する、エイドで補給食をもらうのにも1枚持つ)も正解だった。

<靴>
The North Face Summit Vective Pro 2023
(salomon pulsar trailを2nd shoesとしてdrop bagに用意したが、路面状況は良かったので履き替えなかった。)
レース直前まで中敷き2枚か1枚かで悩んで、結局2枚にしたが、不要だったかなと思う。今回はどうにも不安でカーボンプレートに頼ってしまった感があるが、柔らかい厚底は扱いが難しい。本当はsalomonのride系やgenesisを履いて完走したいと思っているので、次こそソリッドな靴で結果を出したい。
参加者でよく見かけた靴は、何と言ってもHOKAとAltra。この2メーカーだけで90%越えたんじゃないかと思う。salomonはpulsar trail proやglide、s/lab ultra 3、s/lab genesisを見かけた。Nikeはzegamaやペガサストレイル。ほかbrooksを覚えている。Vective Proはもっと多いと予想していたが、そうでもなかった。

<靴下>
R×L wild wool 弐。
足裏はまったく無傷でfinishした、この靴下は完璧。でも欲を言えばいつものruy speedで100マイル行きたかった。ひよってしまった。

<補給食>
・「ジェルとコーラは摂取しない」と決めていた。1度だけ(二重曲?)気分転換にコーラを手に取ったが、半分も飲まなかった。この「ジェルなし、コーラなし」のお陰で、補給食が原因での体調不良はなかった。
・甘い食べ物は、徐々に入らなくなる。羊羹4個持ったが、結局2個食べたのみ。
・さかなソーセージは正解だった、でもエイドで座って食べるもの。走りながら食べたら気持ち悪くなっていた可能性がある。
・レース前2週間のコーヒー断ちも大成功だった。エイドで飲んだコーヒーは本当によく効いた。
・失敗は、過剰な水分摂取。
・課題は、エイドでしっかり食べることに時間をかけすぎた。
・次回は、苦手なカロリーメイト(固形)を試したい。

<渋滞>
がっつり渋滞ではないが、送電線区間は、前後がゆっくり目に進んで、途中で止まるところもあった。これ以降は、ほとんど渋滞がなかった。

<寝ている人>
森の中で倒れてそのまま寝ている人を100人くらい見た。冷え込んでいたので、起きぬけに「寒い~」と言っている人もいた。過酷なレースだ。

<天気と景色>
晴れていたが、富士山がまったく見えなかった。そして寒かった。
覚えているのは夜の景色ばかりで、絶景ポイントはほとんど夜に通過してしまった。星も見えなかった。

<ダメージ>
なんと筋肉痛がない。直後は大腿がちょっと筋肉痛で「しゃがむ」のが大変だったけど、翌日にはそれもほぼ消失。足裏の皮が剥けたり、まめができたりすることもない。
しかし、靴擦れ、衣擦れ、打ち身の類がひどい。
100マイル後は足関節に浮腫がくると聞いているが、本当にその状態。走り終わって痛かったのは、この靴擦れ、水疱の部分だった。

<写真とゴミ>
・スマホで写真を撮影している人がいたが、レース中はそれどころではなく、1枚も写真を撮る余裕がなかった。
・「コースに落ちているゴミを拾うこと」もやりたかったのだが、すでに天子山地で余裕がなくなって、ゴミを拾ったのは麓エイドまでになってしまった。

<走り終わって気がついたこと>
足が浮腫んで靴が履けなかった経験をして、ようやくリカバリーシューズの意味を知った。サンダルでもいいけど、100kmを越えるランニングでは帰りにも履ける物を用意しておくのがよい。
・レース前に控えていたお酒を、レース後は好きなだけ飲むつもりだったのに、全然飲みたくならない。沢山食べて早く寝たい。食べる量が増えてる訳じゃないのに、吸収がすごい。細胞レベルで活性化されてる感じで、人間の身体って限界はまだまだ先にありそうだなあと感じた。

<レース中の考え事>
・前半は、この大会に出るまでに、家族に沢山の迷惑をかけてきた、そのことばかり考えていた。
・後半は、もうゴールすることしか考えないようにした。呪文のように「自分のペース。自分のペース。ゴールするんだ。」とリフレインしていた。
・「平地と下りは走ろう・全歩きはやめよう」と思っていたが、かなり歩いた。
・あまりに登りが走れないので、100マイルは、特にUTMFは、もう出場しなくていいかな、と思ってしまった。20~30kmくらいのショートで「最初から最後まで出し切る」レースがいいな、と思った。
・そんな風に思ったのに、時間が経つと「次の100マイルはどれにしようかな」と思ってしまうから不思議だ。

<改善点>
・まず、エイド休みすぎ。「大休憩はしないように」とは思っていたけれど、結果的に大休憩になってしまっていた。今回は完走が目標だったのでこれでも良いが、次回からはタイムを狙ってエイドワークを短時間で済ませたい。
・とはいえ本当にお腹が空いて「しっかり食べること」が私には必要だと分かった。自分に合った補給食をエイドでしっかり食べることが必要なので、食べる時間が必要。どれくらい時間短縮できるかが課題だ。
・「ジェルを使わない」のは正解だったけど、カロリーメイトゼリーはやっぱり重いので、持つ補給食でもっと軽いリアルフードを探します。

<最後に、スタッフさん、応援の方々>
スタッフの方は、勘所をよく分かっている。立っていてほしいところにスタッフがいて、言ってほしい言葉をかけてくれる。エイドのスタッフも本当に応援してくださって、何も不自由しなかった。UTMFは「選手、スタッフ、地元の人、みんなで作るもの」と聞いていたけれど、実際に参加して、その通りだと実感した。ありがとうございました。

UTMFを完走したら、次は滋賀1ラウンドトレイル438kmとか、と思っていたが、とんでもない。時間も実力も足りません。半年くらいは、山のレースは出場しなくていい。ただ、この距離を走りきれたことで、練習で50~80kmくらい走っても大丈夫そうだ、とイメージができるようになった。

レースとしての目標は、マラソンサブスリー、あとは10kmを40分切る、これが次の目標です。

広大病院の"まとも"で"フツー"な院内感染対策

NCGMを含む多くの病院が
根拠のない面会制限を続けている。
「1人1回15分・2人まで」とか
「15歳以下は面会禁止」とか。

日本版CDCって何だっけ。

そんな中で、広大病院は立派だなあ
「患者にとって面会は重要な意味を持つため、面会に制限は設けていません・患者との直接接触も制限していません」だってさ。

ほかにも
・出入口の体温計は不要
・入院時スクリーニングは不要
・待合室のアクリル板も不要
・待合室の座席1つ飛ばしも不要
・コロナ患者だって共用のトイレを使えばいい
・コロナ患者が使ったCTを使用不可にする意味はない
・コロナ患者が持ってきた書類を「消毒」する意味はない
・コロナ患者に"会う"ために、ガウンなんていらない
・常時N95なんていらない

なんて、まともなんだ。
なんて、フツーなんだ。

なんで、「まとも」で「フツー」が、まかり通らなくなってしまったのでしょうね。医療機関ですら「安心」を買うようになってしまっています。

願わくば、広大も「分娩と新生児の取り扱い」を、もうちょっとフツーにしてほしいです。ガウン使用も多すぎる気がします。分娩にしろ手術にしろ「大学病院でしか出来ない対応」をやっていては、いつまでも市中での受入が拡がらないので、こういう部分も簡略化しましょう。

いや、それ以前に、うちを含め多くの地域では、まだまだ感染対策が過剰で「分娩やオペ時も簡略化」なんて話ができないんだけど。

2023年5月1日月曜日

3年間、聞いたことがない答え

「院内でクラスターが起こることも、患者が入院中・入所中に感染することも"防ぎようがない"ことを"住民にも"理解してもらう必要がある」
と、ようやく県の会議の場で言う人が出てくるようになった。

本来はこの内容を
アドバイザリーボードが、感染研が、感染症専門家が、言わなければならない。
政治家に、これを言わせなければならない。

ADB、NIID等は「立場上、言えない」とは思うけれど、じゃあ「あきらめて受け入れろ」と言わずして、どうやって医療提供体制を維持していこうと言うのか。住民が「感染を受け入れない」から、どの病院も施設も「感染を受け入れない」、そんな姿勢でいたら結局、患者は誰が診ると言うのか。

3年間、この答えを聞いたことがない。

「立場上、言えないから、保健所に言わせる」とか、なんとな~く「そういう空気になるまで待つ」って、本当にズルいと思う。誰かがやってくれると思っているのだろうか。normative functionを果たせてないじゃん。

仕方がないので、これから入院・入所の同意書には
「□入院・入所中にコロナに感染する可能性があります」
と書くことをオススメする。

医療提供体制を維持させるために必要な手段だが、こうやって末端で尻拭いしないと医療を維持できないなんて、情けないったらありゃしない。

2023年4月18日火曜日

医療計画「感染症」に関する現時点での課題と提案

「次期医療計画について、新設される『感染症』の分野に対する課題と、それに対する提案を、フリーハンドで」と言われたので、現時点で書けることを考えてみた。
正直、感染症に関する医療提供体制の「分析」がまったくない中で、計画の「課題」をフリーハンドで出しても、「それは医療計画で話し合う内容ではない」と、あとから言われそうなんだけど

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・課題1.医療計画の中で救急、災害、周産期、小児、精神の範囲は、一般的な対策以上の特殊性があるため、それぞれの分野で、休日夜間等も含めて感染症をスムーズに受ける体制の構築が必要である。
・提案1.れぞれの分野で、受診・入院の体制図を作る。同時に、すべてを統合できる感染症医療コーディネーターを県庁や県保健所に配置して、受診・入院の体制を一元管理する。

・課題2.平成29年9月「新型インフルエンザ等対策政府行動計画」では、国内まん延期には「全数把握を中止し、医療体制の維持に全力を尽くす」「原則として一般の医療機関において診療を行う」とされていた。しかし新型コロナではこの計画が実行されず、過剰な対応が長く続くことで医療提供体制に支障をきたした。医療計画では、助長にフェーズを続けることなく、一部の医療機関でのみ診療する体制をスムーズに終了し、診療体制を拡大する必要がある
・提案2.診療体制の拡大を「感染症の拡大に合わせる」だけではなく、「病床のひっ迫」にも合わせて診療体制を移行・拡大していく。

・課題3.医療機関と個別に協定を結んでも、感染者が増加すると協定の想定を超えた体制が必要になる。
・提案3.一部の医療機関と協定を結ぶだけではなく、たとえば医師会との協定で「『まん延時』はすべての医療機関で通常医療として診る体制をとる」と定める。

・課題4.保健所の業務ひっ迫で医療提供体制が制限されることのないように、1つ1つの保健所が関与せずとも受診・入院・転院を維持できることが課題。
・提案4.患者の受診・入院・転院調整は、感染症医療コーディネーターが総合調整の立場で関与し、個別調整は医療機関同士で可能なスキーム図を作る。

・課題5.感染症では1次医療圏の受診体制整備が不足していると、2次、3次医療圏の医療提供に悪影響が出ることが明らかにされた。しかし区市町村だけで1次医療圏の医療提供体制を充分に整備するには限界があった。
・提案5.医療計画では「1次医療圏の区域設定」をしているが、「1次医療圏の医療提供体制の整備」も計画に盛り込む。

・課題6.感染症にも対応した地域包括ケアシステムの構築(外来、入院、転院、介護が、拒否しない体制が必要)。コロナでは「緊急時の対応」をするがあまり「平時の医療・福祉の提供」が継続されなかった。特に施設や在宅の患者に対して、医療・福祉の提供が継続できなかった。
・提案6.新興感染症がまん延した場合であっても、通常どおり医療・福祉の提供体制を維持するように、地域包括ケアシステムの枠組みの中で検討する。また、すべての患者を重点医療機関に入院させることはできないことを前提に、どんな患者をどの機関が分担するかを定める。

・課題7.人材派遣では、現場が欲しい人材(マンパワー)と、実際に派遣できる人材(数名の専門家)がマッチしなかった。特に「マンパワー不足に対応する人材派遣」ができなかった。
・提案7.人材派遣できる人材は限られるため、現場に対して「派遣できる人材」を予め明らかにしておく。同時に「マンパワーの維持」を現場に計画してもらうよう促す。

・課題8.ワクチン接種は、効率性・安全性から考えて、本来は医療機関でやるべきものであった。しかし多くの自治体で集団接種が行われてしまい、費用対効果に疑問が残る事業となった。
・提案8.最初から医療機関で実施できるように、ワクチン接種に関しても医療機関や医師会と協定を締結する。