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2023年6月24日土曜日

エイズ拠点病院がHIV患者の初診を受けるための解決策

日本には、エイズ拠点病院であっても、HIV陽性患者の初診や処方ができない施設がある。
本当は、HIV陽性患者の初診や検査・処方は、地元のエイズ拠点病院でやってもらいたい。
医療へのアクセス自体が、治療成績の向上に直結するから。

ただ、エイズ拠点病院は、かつてはHIV陽性患者の初診を受けていても、感染症内科医任せの診療になっていると、その医師が辞めてしまえば、HIV診療ができなくなってしまう。
献身的な個人に依存する診療体制は、やる気のある医師がいないと立ち上げられない、かつ、診療体制が組織として長続きしない、という問題点がある。

それどころか最近では「HIVは誰もが診られる疾患なのだから、わざわざ拠点病院がHIVの初診やフォローをやる必要性がない」とも言われる始末。
一度、患者を診なくなった拠点病院では、ノウハウや文化が失われ、HIV診療再開の目途を立てることすらできない。

そこで、都道府県と地方ブロック拠点病院が、エイズ拠点病院に対して「診療体制構築のハードルを下げる支援」をするしかない、と思っている。
具体的には、何科の医師であっても、電カルを開けばHIV患者の初診から診られるようにハード面を整備する、ということです。

電カル上に
・HIV患者初診用カルテを作る
・初診採血セット、フォロー用採血セットを作る
・処方セットも作る
・採血で何の異常値が出たら地方ブロック拠点病院に紹介するのか表示させる

これくらい、診察内容を「誰でもできるように」パス化した内容をすべて電カルに入れてしまう必要性があるだろうと考えている。
なんならAIを使ってもいい。これくらいハードを整備して「医師の心理的なハードルを下げる」必要がある。

本当は、ハード面がいくら整備できても、それだけでは満足できる診療体制にはならない。
スタッフを確保してHIVの教育をして、MSWが患者の医療費相談に乗れるようにして、薬剤師が内服の助言もしてetc、というチーム作りが必要ではある。
そういうソフト面の整備も必要ではある。ただ、すべての体制整備をソフト面に頼ってきたために、エイズ診療をする医師がいなくなると誰もやらない状態になってしまった。もはやソフト面に頼り続けても埒が明かない。

HIV患者がますます減って、医師が患者を診る機会が少なくなっても、マニュアルを見ればできる、電カルを開けばできる、という体制を整備する必要があると考えている。
まずはここから。

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