このブログを検索

2017年5月9日火曜日

平成29年度 国立保険医療科学院 専門課程Ⅰへの志願調書

平成29年度 国立保険医療科学院【専門課程Ⅰ】保健福祉行政管理分野-分割前期(基礎)
志願調書

(1)本研修を志望する理由(2)本研修で学びたいこと(3)学んだことを本研修修了後どのように生かすのか、を以下に記入してください。

(1)本研修を志望する理由
 中核市保健所の豊橋市保健所で、保健所長以外の初めての医師として勤務するようになって3年目を迎えようとしている。取り組むべき課題は山積しているが、同時に働き甲斐を感じている。ただ、公衆衛生の人手・人材不足は深刻だという実感は増すばかりである。この人手・人材不足の影響は、職種や所属の異なる人同士の相互理解が未達成のままとなり、確かな事業を展開できず、見切り発車、あるいは行き当たりばったりの対応を常とする姿勢となって現れている。
 豊橋市にとって、保健所長の認定要件を満たすことだけを公衆衛生医師に求める場合は、私の勤務3年目が過ぎるのを待てば足りる。だが、認定要件を満たすこと以上の、教育的・社会的効果を求め、公衆衛生活動の善し悪しは市の存在意義と存続にかかわる、という危機感を持って対応したいと考え、本研修に私を派遣する次第である。
 私が本研修を受講することによって、豊橋市にとって、全国の自治体にとって、良い前例となり、キャリアパスの一例となることを期待している。また、個人としては、本研修を受講することで、公衆衛生の動向を概観し、今後の人材育成のヒントとするねらいがある。

(2)本研修で学びたいこと
 公衆衛生活動で私たちがとるべき基本姿勢は、この研修も含めて、私たちは社会保障の存在意義に適うように役割を果たせているかどうか、自分自身の姿勢を自分に問うこと、だと考える。たとえば、2025年問題にしても医療制度改革にしても、「これは待ったなしだ」と責め立てられる場合には、私を含めて、正否に関わらず既成事実として思考を停止してしまいがちである。本研修の学びから、ここに陥らないための人材育成のヒント、ひいては、社会保障のためのヒントを得る。

(3)学んだことを本研修修了後どのように生かすのか
 公衆衛生、保健福祉医療活動の役割は、リスクヘッジである。その中で、私を含めてリーダーを担う者の仕事は、教育である。完成したものは何もなく、今が正しいという保証もない。私たちは、自他ともに困難な成長を続け、役割の自覚とともに学びを起動させて、各々の役割を担っていく。

平成29年2月6日

-------------------
「願書には書ききれなかった言いたいこと」
 本当は、何かを学ぼうと思って学んでも、本当の学びは、ねらいとは全然別のところにあった、というものでしょう。だから、何を学びたいか、と聞いて、それに答えたとしても、内容には特に意味はない。シラバスに意味はなく、志望調書の「意気込み」にも意味はない、と思います。これは、面接をしてみて、面接官も同じように思っていることは分かりました。少し乱暴な言い方ですが、研修で何かを施してもらえるとも思っていないし、研修の内容に期待もしていません。そうではなくて、受講生も講師陣もふくめて、各々が成長することを期待するのだと思います。
 また、資格やライセンスにも意味はない、と思っています(〇〇を修めて〇〇の資格を取得した、〇〇を受講して〇〇の権利を得た、といった一般的な資格やライセンスの話です)。公衆衛生で必要なものは、実践であり実力であり、使えるものはなんでも使うという姿勢といったものです(これが本当の資格です)。セクショナリズムを生むだけの資格やライセンスには一利もありません。
 「リスクヘッジ」の意味は、説明が必要な点で、これはまたいずれ書きなおします。面接官には「一次予防のことですか」と聞かれましたが、そうではありません。また、「リスクマネージメント」という言葉でもなく、「リスクヘッジ」だと思っています。
 いま、私が考えている公衆衛生の役割は「リスクヘッジ」、その中でリーダーを務める者の役割は「教育」です。これは繰り返したい点です。
 誤解を恐れずに言えば、多くの組織は、撤退しても潰れても、仕事は他で担えます。なくても困らない組織もあります。一方、行政組織は、撤退することはできないのです。たとえ行政組織が潰れたとしても、担っていた仕事が消えるわけではなく、その仕事を担ってくれる組織は他にはありません。公衆衛生行政は、目立ちませんが、そういう替えの利かない存在です。にもかかわらず、この人手・人材不足の状況では、危機感を抱かざるを得ません。
「公衆衛生なんてなくてもいい」
「行政が公衆衛生なんてやらなくていい」
「医師なんて公衆衛生行政に必要ない」
そんな声が聞こえてきそうです。
たとえ今の本音がそうであっても、公衆衛生の役割は「リスクヘッジ」、その中でリーダーを務める者の役割は「教育」です。そして、これには替えが利きません。

0 件のコメント: