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2023年4月18日火曜日

医療計画「感染症」に関する現時点での課題と提案

「次期医療計画について、新設される『感染症』の分野に対する課題と、それに対する提案を、フリーハンドで」と言われたので、現時点で書けることを考えてみた。
正直、感染症に関する医療提供体制の「分析」がまったくない中で、計画の「課題」をフリーハンドで出しても、「それは医療計画で話し合う内容ではない」と、あとから言われそうなんだけど

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・課題1.医療計画の中で救急、災害、周産期、小児、精神の範囲は、一般的な対策以上の特殊性があるため、それぞれの分野で、休日夜間等も含めて感染症をスムーズに受ける体制の構築が必要である。
・提案1.れぞれの分野で、受診・入院の体制図を作る。同時に、すべてを統合できる感染症医療コーディネーターを県庁や県保健所に配置して、受診・入院の体制を一元管理する。

・課題2.平成29年9月「新型インフルエンザ等対策政府行動計画」では、国内まん延期には「全数把握を中止し、医療体制の維持に全力を尽くす」「原則として一般の医療機関において診療を行う」とされていた。しかし新型コロナではこの計画が実行されず、過剰な対応が長く続くことで医療提供体制に支障をきたした。医療計画では、助長にフェーズを続けることなく、一部の医療機関でのみ診療する体制をスムーズに終了し、診療体制を拡大する必要がある
・提案2.診療体制の拡大を「感染症の拡大に合わせる」だけではなく、「病床のひっ迫」にも合わせて診療体制を移行・拡大していく。

・課題3.医療機関と個別に協定を結んでも、感染者が増加すると協定の想定を超えた体制が必要になる。
・提案3.一部の医療機関と協定を結ぶだけではなく、たとえば医師会との協定で「『まん延時』はすべての医療機関で通常医療として診る体制をとる」と定める。

・課題4.保健所の業務ひっ迫で医療提供体制が制限されることのないように、1つ1つの保健所が関与せずとも受診・入院・転院を維持できることが課題。
・提案4.患者の受診・入院・転院調整は、感染症医療コーディネーターが総合調整の立場で関与し、個別調整は医療機関同士で可能なスキーム図を作る。

・課題5.感染症では1次医療圏の受診体制整備が不足していると、2次、3次医療圏の医療提供に悪影響が出ることが明らかにされた。しかし区市町村だけで1次医療圏の医療提供体制を充分に整備するには限界があった。
・提案5.医療計画では「1次医療圏の区域設定」をしているが、「1次医療圏の医療提供体制の整備」も計画に盛り込む。

・課題6.感染症にも対応した地域包括ケアシステムの構築(外来、入院、転院、介護が、拒否しない体制が必要)。コロナでは「緊急時の対応」をするがあまり「平時の医療・福祉の提供」が継続されなかった。特に施設や在宅の患者に対して、医療・福祉の提供が継続できなかった。
・提案6.新興感染症がまん延した場合であっても、通常どおり医療・福祉の提供体制を維持するように、地域包括ケアシステムの枠組みの中で検討する。また、すべての患者を重点医療機関に入院させることはできないことを前提に、どんな患者をどの機関が分担するかを定める。

・課題7.人材派遣では、現場が欲しい人材(マンパワー)と、実際に派遣できる人材(数名の専門家)がマッチしなかった。特に「マンパワー不足に対応する人材派遣」ができなかった。
・提案7.人材派遣できる人材は限られるため、現場に対して「派遣できる人材」を予め明らかにしておく。同時に「マンパワーの維持」を現場に計画してもらうよう促す。

・課題8.ワクチン接種は、効率性・安全性から考えて、本来は医療機関でやるべきものであった。しかし多くの自治体で集団接種が行われてしまい、費用対効果に疑問が残る事業となった。
・提案8.最初から医療機関で実施できるように、ワクチン接種に関しても医療機関や医師会と協定を締結する。

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