医療機関には「他人にうつすから隔離する」という発想を、やめてもらいたい。
「高齢者施設のクラスター防止対策」という発想も、やめてもらいたい。
コロナは、もう、感染症の問題じゃないです。
介護、一次、二次、三次医療機関がどうやって患者を分担していくかという「通常の医療提供体制の問題」です。
コロナは現に、コロナで死ぬのではなく、基礎疾患+年齢で亡くなる疾患になっています。
ADBの専門家は「循環器系で死亡する場合、コロナ死とカウントされない恐れがあり、死亡は過少集計している可能性がある」なんて言ってますが、逆ですよ、逆。
なんでもかんでも「コロナ死」にしてカウントしてきたんです、過大集計もいいところ。
そんな扱いになっているので「コロナ死に至る患者」は今後も出続けるのですが、感染症指定医療機関や三次医療機関だけで診続けるには、キャパが足りませんし、役割が違います。
今後
三次救急の、入院や救急外来を、コロナや誤嚥性肺炎だけで埋めていいんですか?
三次救急を、高齢者の大腿骨骨折や、超高齢者の悪性腫瘍だらけにしていいんですか?
三次救急を、高齢者施設からのCPA受け入れ専用窓口にしていいんですか?
って話です。
「他人にうつすから隔離する」という発想のせいで、病院と施設は拒否し合います。だから病病連携も、病介連携も、お互い滞って、すぐキャパオーバーになってしまいます。
「他人にうつすから隔離する」という発想を続けている限り、いつまでも「有事の緊急対応」という発想から抜け出せません。
コロナで必要なのは、有事の緊急対応ではなく「通常の一般対応」です。
だから、必要なことは
「コロナ感染症の有無」で医療を分けるのではなく「トリアージ機能」で医療を分けること。
誰をどこで救い、誰をいつ"諦める"のか、役割で医療を分けること。
高齢者施設がいつまでも「看取りはできません」と言っていては、三次救急がますます看取りの場になっていきます。
これは地域医療計画につながっていきます。
だから、地域医療計画は、感染症を単体で考えても、絶対にうまくいきません。
ましてや「都道府県が医療機関と協定を締結した」からって、それで医療提供体制が維持できるワケがありません。
common diseaseとなった感染症を、限定した医療機関で回していては、あっという間にキャパ越えして、協定の意味がなくなるからです。協定はあってもいいけれど、感染拡大時こそ協定なんて実行不能です。
これは、コロナ当初から、ずっと続いている問題です。
「確実に入院につなげられるベッド」を数字の上では確保しましたが、絵に描いた餅でした。
災害医療の協定だって「締結したら100%実行できる」なんて、現場は思っていません。これと同じです。
コロナが終わっても、地域医療計画・地域医療構想は終わりません。むしろ2040年、2050年にむけて課題が増えていきます。
誰をどこで救い、誰をいつ"諦め"、トリアージ機能をどう運営していくか。医療資源が乏しい地域こそ、医療介護連携も含めて本音を出しておくのがポイントだと思っています。
そしてこれは、協定を締結したり、ベッド数を決めたりすることよりも、もっと難しい作業です。
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