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2022年9月9日金曜日

「全国一律」にしてほしいのは、感染症への対峙の仕方であって、数え方ではない

本日、自治体への説明会が開かれた。残念ながらログインが遅かったため、ZOOMが満席で入ることができず、仕方なくyou tubeを見た。
厚労省は、全数の発生届をやめた県がどのようにやっているのか、患者数の少ない鳥取県や佐賀県を例に挙げてきた。しかし、両県全体の数を、うちは1日~2日で超える。前提とする事務量が違いすぎて、聞いても何の参考にもならなかった。
これだけ都道府県で差があっては、全国知事会で意見が合うワケがない。「全国一律」にしてほしいのは、感染症への対峙の仕方であって、数え方ではないのに。

そして9/26からの「全数把握」は、本当に「やっているだけ」の数になることが明らかである。「すべての医療機関から、毎日、数だけ報告をもらう」という時点で、もう本当の数字かどうか分からない代物になっている。報告してこない医療機関や、数字を間違える医療機関は、必ず履いて捨てるほど出てくる。徹底できるワケがないのです。

つまり「数えている事実さえあればよい」という状態になるのです。
これって、日本軍の数の数え方と同じです…。

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都道府県
各 保健所設置市 衛生主管部(局) 御中
特別区 
(各自治体の保健所運営事務担当者、統括保健師、コロナ担当者へ送付しています。適宜関係者へ転送いただけますと幸いです。)

厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部です。
厚生労働行政の推進につきましては、平素より格段の御配慮を賜り、厚く御礼申し上げます。

「Withコロナの新たな段階への移行に向けた療養の考え方の見直しについて(確認依頼)」(令和4年9月6日付け厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部事務連絡)でお伝えした通り、
令和4年9月26 日より、感染症法に基づく発生届について、全国一律で見直す方針であり、下記のとおり自治体向け説明会を開催する予定ですので、
各自治体におかれましては大変ご多忙の所恐縮ですがご参加いただきますようお願いいたします。

○開催日時:9月9日(金)14:00~16:00
○開催場所:Zoomにて開催

 ※Youtube ライブ配信

○その他
・多くの自治体に御参加いただくため、各自治体で2アカウントまでとさせていただきます。必要に応じて、衛生主管部局に限らず、関係する部署にもお声がけください。
・Youtubeによるライブ配信も予定していますので、ご活用いただきますようお願いいたします。

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厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部保健班
〒100-8916 東京都千代田区霞が関1-2-2
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----------聞き取ったメモ-----------

【厚労省の説明】
・事務連絡を9/12以降に出す予定である

・医療費・公費支援
変更なし

・療養証明書の今後
どうしても出せといわれたら、出せないこともないが
発生届の対象とならない陽性者は、療養証明書を出さない。

・新たなHer Sysシステム
医療機関から「Her-Sysに陽性者の件数報告(毎日)」
業務の代行を保健所が行う。ゼロの入力も毎日する。

・宿泊・配食の患者の確認手法
療養証明書の書類はなくなるが、医療機関が発行する簡易で既存のものを使う
確認書類は国が例を提示する

・死亡者の取り扱い
いま、先行の自治体では、死亡者も発生届の対象を4類型に限定している。
しかし、9/26からは、類型を分類せず、死亡者は全員を届けてもらう予定である。

・発生届対象外の患者の発生届が出されたら
取り下げてもらうように。
→ムリ。放置します。

・Her sys上の今後の療養証明の在り方
療養証明期間は、追って沙汰とする。

・救急調整、受診調整、入院調整
発生届がなくても患者ではある。だから申告に基づいて、対応してほしい、と。
しかし、国としては、一律に役割分担を示すつもりはない。


【宮城県】:発生届の限定化を行っている
電子申請で「陽性者サポートセンター」に患者自身で登録してもらう

・1週間で4600人のうち、発生届900人、8割は発生届なし
医療機関では、入力業務が減ったものの、陽性者への説明が増えた。まだ楽になった実感はない。

・医療機関からの数の報告は、6:4=電子申請:Fax

・陽性者登録部門
医師会に協力してもらって医師を配置、必要時に発生届を出す


【佐賀県】:発生届の限定化を行っている
・自宅療養支援センター
療養証明書は発行しつづけることを前提に組んだ

・プラスアルファで発生届を出してもらう人
県外居住者は発生届を出してもらって通報
施設入居者は高齢者施設に限らず提出
ドライブスルーで対象者判断ができない場合
離島住民

・簡易な診断結果表を医療機関に書いてもらう
「診断名、検査方法、発症日、診断日、医療機関名、診断医師、患者氏名、生年月日、電話番号」
これを療養証明書の代わりにしてもらう

・コロナ陽性者登録フォーム
電子申請
診断結果表をスマホで撮影し、アップしてもらう
Webを使えない人のために電話対応もある
発生届は全体の2割が提出、陽性者の9割が自分で登録している


【鳥取県】:発生届の限定化を行っている
・陽性者コンタクトセンター
発生届が出されない人の窓口
パルス、配食、療養証明、健康観察、受診調整

・登録率97%、
といっても、鳥取県では4日間で1187人が陽性、登録者1156人。
→少なっ!!

小児科医「多いときは1日10人前後の発生届を出していたが、ほとんど入力の必要がなくなる」と歓迎、恩恵は大きい、と。
→少なっ!!

・クラスター対応
まだやれる余裕がある。子ども関係、学校、社会福祉施設、などもやっている。


--------------以下、質問----------------

ZOOMに入れず、チャットを見れなかったし、書き込んで質問することもできなかった。
以下に質問したかった内容を記載しておく。

<質問したかった内容>
1.発生届が出なくなる患者を健康FUCに登録したら「登録証明書を発行してほしい」と言われてしまう。どのように対応したらいいか。

2.健康保険組合等から、傷病手当金支給のために「療養期間の末日を記入した療養証明書」を求められる。「10日間以上の療養をした」と申請され、証明書を出すことも求められている。生命保険だけでなく、傷病手当の証明書についても、保健所や健康FUCに求めないように、取り扱いを全国一律で決めて、しっかり周知してほしい。

3.医療機関を受診していない陽性者や、発生届の対象とならない陽性者を「当該感染症にかかっていると疑うに足りる正当な理由のある者」として省令で定める根拠は何ですか。「当該感染症にかかっていると疑うに足りる正当な理由のある者」として定めなければ、法第44-3を求める必要がなくなり、宿泊や配食をやらなくて済むのに、わざわざ定めないでほしいです。

4.9/6の事務連絡には、健康FUCに登録した患者への法44-3に基づく宿泊や配食支援は「自治体において支援を行わないこととしている場合はそれでもOK」と書いてありますが、自治体間でバラつくと対応困難です。結局、自治体ごとに「支援をやめる」とは言えません。これは全国一律で厚労省が決めてください。

5.発生届がある患者については、現在、受診調整や入院調整を保健所が担っています。病病連携の間に入って紹介状のやり取りの仲介をしたり、救急車から連絡を受けて搬送先を探したりしています。9/26以降は、もう「発生届がある患者か」「健康FUCに登録されている患者か」すら不明になります。保健所はこれ以上の業務負荷には耐えられませんので、9/26以降は、受診調整も入院調整も、やめていいでしょうか。そのような業務を保健所にやらせないようにする事務連絡を出してください。

6.「健康FUCへの登録」は、どんな証明書類をもって登録すればいいのか。特に医療機関を受診したが「発生届の対象とならない陽性者」は、医療機関で「陽性記録」を貰わなければ何も証明するものがない。文書料を請求されもする。書類の様式は国が示すべきである。

7.愛知県は、現在に至るまで、愛知県内にある「政令市+4中核市」と「愛知県」について、一元化できると言われているものをすべて一元化してきませんでした。今回、国が提示している「健康FUC~受診相談~宿泊や配食の受付、手配」は、すべて「愛知県」がまとめるように、国からも強く指導していただきたい。「健康FUCへの登録だけ愛知県が担う」というような「一部だけ県がやる」体制ではなく、県が一元化するように要請していただきたい。そうしなければ「9/26からの全国一律」を愛知県ではスタートできません。当市はスタートできませんので、ご対応をお願いします。

8.「療養延長」に関する対応が困難です。個人や病院から「延長だ」と保健所に言われ、いつまで経っても健康観察や対応が終了できません。ICUに入院した人よりも、自宅療養者のほうが、療養期間が長くなってしまっています。感染性だけを考えればいいはずなのに「療養解除日」を「症状軽快するまで」ひっぱることはやめてもらいたいです。「全国一律7日間で終了」としてください。

9.「健康FUCへの登録」を実施して、全数把握したいのであれば、Her-Sysを改修して、健康FUCの登録機能を作ればいいのではないでしょうか。Her-Sysの改修ができなくて登録制度を作れないのならば、なぜ自治体には登録制度を作れと言うのですか。

10.健康FUCに医師を配置しなければならない理由は「発生届を書く」ことだけですか? 重症化リスクのある人の発生届が出されていないのならば「受診された医療機関に発生届を出してもらう・セルフテスト陽性の方は受診してもらう」ように案内します。そうすれば健康FUCで発生届を出す必要はないので医師は不要ですが、どうお考えですか。

11.「『Her Sysの改修』で1日1回しか入力できない、誤りがあれば翌日分で調整せよ」とのことだが「1日100万件」というような、有り得ない数を誤って入力した場合、どうなりますか?

12.「Her Sysへの件数入力」をFaxで保健所が代行入力することはまだしも「毎日管内の医療機関がすべて入力したかどうか、ゼロを入力したかどうか」なんてことは、保健所にやらせないでください。120か所以上もある医療機関に毎日電話で「ゼロか」と確認するなんて、やっていられません。

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