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2022年8月18日木曜日

公衆衛生は、性悪説で動かなければ、リスクヘッジできない

「コロナが発生している学校や幼保のクラス名をよこせ。情報がなければ診療に活かせない」と医師会から言われるけれど、そんな情報あげたくない。

そもそも「場所」や「所属」でくくって予防できる感染症だったら、とっくに終息している。

それに「情報を診療に活かす」のではなく、絶対に「コロナが増えている〇〇学校の子は診ない」っていう使われ方をするもん。さんざん今まで受診拒否されてきたもん、信用できないもん。今日もまた「新患は受けない」とクリニックから言われたもん。
情報を渡せば、必ず漏れて、その地区でウワサが一人歩きするもん。
情報が正しく伝わることはないし、コントロール不能だもん。

我々は性善説では動いていません。本当に重要な案件については、誰かを信用して「あとは任せる」ということはありません。公衆衛生は、性悪説で動かなければ、リスクヘッジできないからです。下手に医師会に情報を流せば悪用されることもある、と考えるのが我々の仕事なのです。
これは別に人間不信なのではありません。良し悪しではない。性善説は仕事がしやすいように見えますが、ただの責任放棄だと考えます。我々はプロなので、結果を求めます。自分自身の能力すら疑う、それが公衆衛生の仕事です。

だから我々は、患者情報を医師会に渡して、医師会に拒否権を与えるようなこと(〇〇学校の子は診ない、という口実を与えること)は、いたしません。

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