「感染症対策」は感染症のことしかできず、感染症対策を最優先にすると、なにが起こるのか、という良い例です。
「市内の小中学校では、コロナ対策のため常に窓を開けている。だからエアコンが効かなく、熱中症と電気代が心配」という相談が学校から入り、本日からうちの全小中学校では、換気よりもエアコン優先にした。
それはよかったのだが、ここに至るまでのやり取りが何とも情けなく、今後が思いやられる内容だった。いや、そもそも、こんな"相談"が来るなんて思ってもいなかった。
<学校からの相談内容>
・学校では熱中症対策を第一に考えてエアコンを使っているが、コロナ対策のために窓を常に開けているのでエアコンが効かない。
・学校保健の委員であるDrからは「授業毎の休み時間に換気したらどうか?」と提案をもらった。
・エアコンを効かせたいが、窓を閉めてしまうと、コロナで学級閉鎖したときに「換気してないから感染するんだ」と言われ、立つ瀬がない。
・学校は77か所もあり、二酸化炭素濃度を測定することは現実的ではない。学校ごとに環境がバラバラで、一律の対応を提示できなくなる。
・換気は学校現場が勝手にやってくれればいいのだが、先生たちは自律的に動けないので、統一した分かりやすい通知を出す必要がある。
・コロナで学級閉鎖が出ても「換気してました」と言えればいい(体裁のため)。そのやり方で特に問題ないと保健所にも確認した、と管理職にも言えればいい(体裁のため)。
・ついては、Faxを学校に出したのだが「保健所にも確認した」ということにしていいか?
・Faxの中身は「授業中は窓を閉めて、冷房を効かせて授業を行ってください」「休み時間等には、換気と水分補給をこまめに行ってください」という文章である。
<私の回答>
・保健所にも確認したことにして良い(換気よりエアコン優先でOK)
・市の管理職同士で確認が入った場合は「この運用で問題ない」と口裏を合わせる
・授業中に常に換気しなくても、学校内の濃厚接触者などの取り扱いは変えない(特定しないし追わない)
・もっと確実な方法を探せ、とか、二酸化炭素濃度を測定しろ、とかを、保健所からは求めない(実質的に不可能だし、測定したところでやり方は変わらないから)
「コロナ対策」と名が付くと、大人は子どもらの命を守ることよりも「コロナ対策している体裁」を優先してしまう。
それほど、自律的に動けない大人を、たくさん作ってしまった。
こんなものこそ、ビョーキでしょ。
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