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2021年7月29日木曜日

「安定供給が見込めない」の意味

 うちの状況。

接種医療機関:約140か所
個別の1日平均接種数:3000回以上
集団の1日平均接種数:約1000回(会場が1か所増えれば倍に)
配分されるワクチンの基本枠:22箱(これは2週間分なので1日当たり1838回分)

つまり接種能力と比べて「基本枠」が少なすぎて
基本枠だけでは市内で奪い合いが発生する状態。
医療機関同士で奪い合うなら、集団で打ってコントロールするしかない(これは個別接種システムが破壊された原因の1つ)。
ま、それはもういい。

そこに昨日、第12クールの「調整枠」の通知が来た
基本枠22箱+調整枠16箱=合計38箱(これも2週間分。1日当たり3175回分になる)

1日当たり3175回分あれば、集団をやめれば個別にはちょうどいい数だ。
これで接種を始められる、と思うでしょう?

ちがうんです。
これは「帯に短し、襷に長し」なのだけど
問題は、不安定供給にある。

これから38箱を全部打ったらどうなるか。
2回目接種の人たちが2回目を打つタイミングで、同じだけの量が必要になります。
つまり、これからも最低でも38箱が必要になる。同じだけの量で打てるのは2回目の人のみ。
ご新規1回目の人は、その2回目の人が終わったあとから、また受け付ける。

でも
「調整枠」が「調整枠」である限り、これからも38箱が安定供給されると思う?
あまいね。我々はそこまでお人好しではない。

38箱を全部使っても、次の38箱が確約されていなければ、2回目難民が"また"発生してしまう。
次に30箱しか来なかったら、その時点でアウトですからね。
あてにした8箱分の2回目の人から「打てなくなった!どうしてくれるだ!」と電話がくる。
だから「在庫」を抱えるのです。このように「調整枠」で調整される可能性があるから。

国は、アクセル踏んでどんどん打て、在庫を抱えるな、
在庫があるなら供給を減らす!なんて言うけど、アクセルなんて怖くて踏めません。
在庫を抱えず打つ→次が来ない→2回目難民発生→接種を止める→供給される→在庫を抱えず打つ→次が来ない…以下同文。
このループになることが分かっているからです。

ガス欠になりそうな状況で、次のスタンドがどこにあるか分からないのに、残りを気にせず走る人はいない。

調整枠が調整枠である限り、在庫をためて「確約」を作り、細々と打つしかないのです。
んなもん、終わるかっつーの。うちらだってさっさと終わらせたいわ。

上記の理由で、我々は前々から、問題は調整枠にあらず、基本枠にあり、と言っています。
基本枠が少なすぎるのだから、基本枠を増やして、それで安定させてほしいワケです。
調整枠でお駄賃をはずんだからって、天狗にならないでほしい。

ま、こんな不安定なロジでは、基本枠すら、確約なんて言えないのだけれど。

我々は、さながら
「補給線が伸びきった前線に取り残される日本兵」
ってな気分です。

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