「とにかくコロナの院内感染・施設内感染が心配」「〇〇病院みたいになりたくない」というけれど、ちょっと待ってほしい。
1.そもそも日常の感染症対策を蔑ろにしてきたよね
いまコロナの院内感染・施設内感染で、まん延した施設は、今まで一度も院内感染を起こしたことがない施設か?
んなワケない。
院内感染がないとしたら、それは「検出していない」だけ。インフルでも風邪でもヒトメタニューモでも、施設で流行しなかったワケがない。患者や入居者が施設内で風邪を引いたことは必ずある。それは必ず外部から持ち込まれている。
そういう施設に限って、道具の使いまわしはあっても、院内サーベイランスデータはないし、アンチバイオグラムなんて存在していない。スタンダードプリコーションもない。
これは"コロナが悪い"のではなく、テキトーにやっている施設の今までの行いが悪い。そんな状態では、感染が広がってあたり前です。
ノロやインフルが流行しても保健所に耳を貸さなかった施設が、コロナになって急に何を言う。
2.かたや、万全の感染対策をしても防げない場合はある
一方で、院内感染・施設内感染は、しっかりやれば防げるものなのか?
んなワケない。
NICUですら、施設内感染を起こすことがある。「テキトーにやっている施設では、感染が広がってあたり前」ではあるが「たとえしっかりやっていても、防ぐことはできない」のです。リネンに付着してくる環境中のbacillusなんて、どんな施設もムリです。
これは、コロナに限りません。RS、ライノ、アデノ、他のウイルス、細菌、真菌などなど。院内感染・施設内感染は、いままでさんざん起きているし、これからも起こる。今回、本当にしっかりやっていた施設で感染があった例も、必ずある。
COVID-19だけが特別な感染様式で伝播するわけではない。エアロゾルだの食器を介する感染だのが、まるで新型コロナウイルスで初めて確認された感染様式のように報道されているが、べつに今になって始まった感染様式の新事実ではありません。
「〇〇病院みたいになりたくない」と思うのなら、そこから思い出すべき教訓は「人の振り見て我が振り直せ」です。
あとは、どこで折り合いをつけてコロナと共生していくか、ですが、長くなるので今はここまで。
0 件のコメント:
コメントを投稿