各国からは「下船させろ圧力」があったので「2/19まで船内隔離したので、そのあとの強制隔離は不要というストーリー」にしないと、そもそも下船させられませんでした。クルーズ船に医療資源(具体的には厚労省の職員etc)を供給しすぎて手が足りなくなっている、という事情もあります。
下船させておいて、各国が自国に引き取ったあとで、追加の14日間の強制隔離をするかどうかは、それは各国の判断です。各国では、クルーズ船対応が人権侵害だという声にも答えつつ、帰国した乗客をバイキン扱いする声もあるため、「下船させろ+自国で隔離」という方法は、仕方のない帰結です。世論に答えただけで、べつに感染拡大の防止のためではありません。
もし本当に各国が感染拡大の防止に取り組みたかったのならば、2/19以前にさっさとチャーター機を日本に飛ばして、自国民だけ"救出"し、さっさと自国で14日間の隔離をすればよかったのです。ほんの少しだけ早くチャーター機を飛ばした国がありましたが、それにしても遅かったです、ね。
2/19を区切りにしたのは「クルーズ船内で全員感染するまで隔離」させる最悪のストーリーを避けるための処置でした。なにも2/19に下船した人から感染者が一人も出ないことを信じていたわけではありません。隔離したのは、リスクを0にすることが目的ではなく、リスクを低減することが目的だったからです。下船した人を犯罪者扱いしたり、下船した人から感染が見つかることを殊更に問題視することは、ただただ有害無益です。
下船した人の扱いをどうするか、は、各国のキャパと、感染者が見つかったときのインパクトによります。下船できる=少なくとも無症状である、ので、リスクの低減には成功しています。陽性者と同室の人は、税務大学校で隔離しています。それ以外の人には、念のための感染予防に努めてもらってもいますから、公共交通機関を使って帰宅してもらっても、べつに構わないわけです。もし症状が出た場合は、相談センターに電話が入り、しかるべき医療機関に受診し、診断されればOKです。つまり、下船後の乗客からきちんと発病患者が見つかることは、真の意味でリスク低減に成功している、と言えます。
日本は法治国家ですから、感染しているかもしれない"おそれ"をもって外出禁止等の強制はしません。それでも、誰かさんの"安心のため"に、下船した乗客を強制的に隔離しろ、と言うのであれば、それは「治安維持法」並みに恐ろしい言説だといえます。
「武漢から帰ったきた」というだけで、玄関ドアにクギを打ち付けた映像、見ませんでしたか?
・・・もはや何を言っても無駄でしょうか。
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