新型コロナウイルスの治療は、HIV治療薬を使うなどの治験が進行中です。
ただ、そんな真新しい治療に飛びつかなくても、「基本的な対症療法や集中治療管理を、地道にやる」ことが、もっとも大事でしょう。
そんな中で、特に注意していただきたいことを書きました。
やるべきことをやり、やるべきでないことをやらない、それだけで治療として優秀なものを提供できます。
1.「発熱+咳」の人が「新型コロナが心配なんですけど」と言っても、それだけで保健所や感染症指定医療機関に振るのは、やめてください。
医療資源には限りがあるのは、開業医の先生方がご存知の通りです。
「発熱+咳=診たくない」では、保健所も指定医療機関も一瞬でパンクしてしまいます。
開業医の先生方から受ける通常の疾患や感染症すら、受けきれなくなってしまいます。
2.「かぜに抗菌薬」をやめてください。特に第3セフェム、キノロンの処方。
「市中肺炎の第一選択にキノロン」も、やめてください。
いずれも、コロナウイルスには有害無益で、患者さんが下痢して悪化するだけです。
さらに、もし結核なら、キノロンでマスクしてしまいます。
かぜ治療の効果判定に使うことを理由に、抗菌薬を盲目的に処方しないでください。
3.「かぜにステロイド」をやめてください。
熱が下がらないから、とかを理由に、経口ステロイドを投与するのも、有害無益です。
「感冒セット」の見直しをお願いします。
4.血糖コントロール不良を見逃さない(新型コロナ陽性の場合)。
一般採血だけやって血糖値を測らないと、重症化する要因を放置してしまいます。
「対症療法」としてやるべきルーチンに、血糖管理も入れてください。
5.溢水にしない(新型コロナ陽性の場合)。
無症候性原体保有者や、軽症の場合は、ルートすら不要のはずです。
溢水にして良いことは何もありません。
高齢者で心機能低下時なら、なおさら溢水に注意してください。
以上です。
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