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2020年2月14日金曜日

クルーズ船の検査計画についての誤解

・3000人、一気に検査するキャパはありません。
・キャパがもしあったとしても、一気に検査する意味はありません。
・なぜならば、潜伏期間が人それぞれバラバラだからです。
・検査して「陰性」であっても、「感染していない」とは言えないのです。
・だから、症状のある「陽性」となる可能性の高い人から、順番に検査をしていったのです。
・これは、検査の事前確率を高くしておいてから検査した、と言えます。
・「陽性となる時間まで泳がせておいた」という言い方もできますが、これは決して悪いことではありません。
・船内隔離を継続し、3000人を一気に野に放つことをせず、感染拡大の防止をした、という結果だからです。
・つまり、「2/19まで船内隔離」というのは、ホントのホントは、「2/19が来れば感染性がない」ことの証明になっていません。
・なぜならば、船内で感染が広がれば、潜伏期間の起点日が、同じようにずれるからです。
・船内で、患者が見つかるたびに、潜伏期間は患者が見つかった日から数えて12-14日後、となります。
・でも、そんなことを言っていると、極端に言えば、「船内全員が感染するまで待つ」ことになってしまいます。
・これは人道的にもマズいし、現実的ではありません。
・だから、船内で個室隔離していることをもって、患者との接触がなかったこととして、2/19に下船の予定、と言ったのです。そして、これはこれでOKなのです。ここがミソ。

・そもそも、クルーズ船の乗客をすぐに上陸させなかったのは、世間体(政治)+上陸させる準備のための時間稼ぎです。
・クルーズ船の乗客を上陸させなくても、必ず別の門戸から国内に感染が広がります。
・だから「クルーズ船だけ阻止すれば、感染が防げる」のではありません。クルーズ船の対応をいくら頑張っても、感染は防げないのです。
・それは最初から分かっていたので、上陸させなかった理由は、世間体(政治)+時間稼ぎ、なのです。
・別に、日本でなくて船ごと他国に行ってもらっても良かったんです。が、拒否しなかっただけ人道的にはマシだと思うし、医療提供体制を考えれば、日本でよかったとも思います。

・研究材料としては、クルーズ船は、その環境が、閉鎖空間の培地になりました。
・よって、人工的に作った環境で、どのように感染が拡大していくか、というシミュレーションになりました。
・ただ、そんなことは、どうでもよろしい。

・クルーズ船にしろ、クリスマス島にしろ、もしそれで感染拡大が防止できたとしても、そんなのは"たまたま"の結果論です。
・実際、検査しなければ感染していないことになります。
・だから感染拡大が起きていないと言うためには、検査しなければ、そう言えてしまいます。
・ここでよく「検査しないなんてけしからん」と思われてしまいますが、それは感染症を診断する価値があるかどうかによるのです。
・フツーの軽症の風邪は、わざわざ検査しませんし、それで良いんです。
・重症例は、治療方針の決定のために、検査する価値が生まれます。
・リンクを追うための検査は、リンクを追う価値があるかどうかで決まります。その価値は、治療や予防に使えるかどうか、で決まります。

・WHOは「中国以外の国では、まだ患者のリンクが追えている」と宣伝し、これをもって、パンデミックではない、と言いたいようです。
・が、そんなことは、それこそ根拠がありません。
・WHO自身のために、リンクが追えているという話にしたい、っていう程度の話にしか過ぎません。
・ですから、これも、どうでもよろしい。

・クルーズ船は、3000人、一気に検査しても、陰性確認にはなりません。ただ、その抜けのある対応でも、ありだったとは思います。
・そもそも、検査なんてしない、という方法でも、ありだったと思います。
・今回のやり方でも、ありだったと思います。
・ですから、すべての方法に一長一短があるのです。
・「完璧に感染を防ぎつつ、感染者を拾う、その努力をせよ」というのは、フツーの風邪や、インフルエンザができないように、今回でも無理な話で、意味のない話です。
・世間体(政治)のために「完璧に感染を防ぎつつ、感染者を拾う、その努力をする」のは、リソースを割き過ぎてしまっています。

結論:クルーズ船の検査体制から、不手際をあげつらっても、仕方がない!

以上です。

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