「娘がお腹が痛いと言って寝込んで、もう3日も食べていない。コロナ自己検査して"陰性"だったから受診しようとしたら、どこも断られた。どこに受診させればいいんだ!保健所はどう責任を取るんだ!」
と、父親が怒鳴り込んできた。
そんなこと保健所に言われても困る。
アドバイザリーボードに言ってくれ。
日本医師会に言ってくれ。
まず、医療機関による応召義務違反がここまで平然とまかり通るようになってしまったのは、感染症対策のせいです。
次に、まじめに患者を診てくれる医療機関では、患者が集中するから医療が逼迫するようになってしまった、これも感染症対策のせいです。
なんで"正直者が馬鹿を見る"みたいな状況になっているのに、相も変わらず同じ轍を踏むの。
感染症対策のせいで、緊急時どころか平時の医療すら維持できなくなっています。よく「平時から緊急時への切り替えが大事だ」と言うけれど「緊急時には平時のことをやらなくていい」ってワケじゃないんです。平時の枠組みの中で診ることができなければ、緊急時だからって診れるようにはなりません。それはこの3年間で何度も繰り返してきたことです。
トリアージ機能は、平時からやっている平時のことです。それを緊急時にも続けることが何より大事な"体制整備"です。「トリアージ機能が破綻」しているのは「緊急時の対応ができていないから」ではありません、緊急時にほだされて「平時の対応をできなくさせているから」です。
「平時から緊急時への切り替え」なんかより「緊急時にも平時の機能を継続すること」のほうが、よっぽど大事だと痛感しています。
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