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2021年9月7日火曜日

生き残る力を削ぐ感染症対策

・ある日曜の晩、SpO2 83% 県内全域の入院先なし、在宅酸素もムリ。スタッフが「今晩は寝られないな」って言うから「大丈夫、一晩ならもつ。明日調整しよう。なるべく立たせないように」と私。
・次の月曜の朝、SpO2 78% あさイチでQQ車に行ってもらってとりあえずO2投与で粘る、その間に受診調整。粘ってる間にどこかで誰かが退院するだろうっていう見込みで…。

土日は退院させにくい(病院の都合)。これは単科対応じゃあ仕方ないよね。
感染性がなくなっても一般床に出すことをしないから、簡単にはベッドが空かない(PCR陰性化待ちor30日待ち。アホか)。
だから新規に入院させられない、糞詰まり状態、この下りも2020年12月の繰り返し。

いくら新規ベッドを作ったところで、回転率が低すぎるので、すぐ満床になる。
感染症の取り扱いを変更しないから、後方収容病院も拡がらない。
押し付け合いが続く。

なんのための「指定感染症」なのか、さっぱり分かりません。
こんなアクロバティックな対応していたら、いつか事故るのは、あたり前だな。
また保健所に謝罪会見を求められるのだろう。


一方で、新学期を迎えるにあたり

「※学校において(中略)、判明した感染者が1人でも、感染状況によっては、原則として当該感染者が属する学級等の全ての者を検査対象の候補とすることが考えられる。」

文科省が出したこの通知をもって、幼稚園・保育園・学校は「クラス全員検査」が「スタンダードになった」と勘違いされている。
検査できるようになったんだから検査しろ、と。ここで検査しないとクレームの嵐です。
クラス1人でも判明するたびに、全員の検査なんてやってられるかよ。
割くべき労力はそこじゃない。

でも声が大きい人たちは
「クラス全員を検査したらいい」
「学校はスクリーニングをやればいい」
と言い、首長や教育委員会は大きな声に流される。

スクリーニングなんてやったら、一定は陽性になるに決まっている。
見つかり続けますが、そんなもの見つけてどうしたいの?
幼・保・学校なんて検査しても、全国のコロナが減るわけじゃない。
律速段階は幼・保・学校ではない。

これは夜の街叩きと同じことをしようとしている。

必要で冷静な感染症対策ではなく、もはや安心を買いたいだけの感情論です。
意味とか効果なんて議論すらしてない、一方的な通知ばかりだ。

こんな検査漬けにしてたら結局さ、感染対策の名の下に
「タブレット配って、リモート授業」という方向に行きそうだけど
そんなもの推奨してたら、オフィスも社員も要らないことと同じように
「学校も要らないし、先生も要らない」って結論になりますが、それでいいんですかね

「you tubeを見とけばいいじゃん」ってなりますよ
データなんてコピペで一斉配信できるんだから「良いデータをコピペすることこそ教育だ」って言われて、さらに言えば「教育っていらなくね?っていうか、平等に教育を受けた子どもなんて、いらなくね?」ってなりますよ。

合理的に考えると、みたいな言い方で、欲しいアウトカムの設定を変えるだけで、必要なものを不要なものに変えられます。だから世の中「合理的」だけを尺度にするのなら、存在しないことが最も合理的、となります。私は、あんたの合理性をオレに押し付けるなよって思いますけど。

タブレットによるリモート授業なんて
虐待支援もする我々から見れば、結果は火を見るよりも明らかです

「できる子はよりできるようになり、できない子はよりできなくなる」

賭けても良い、必ずこうなります。

現在ですら、生まれや育ちで教育格差&収入格差&健康格差が生じてるのに
(「格差」なんて言葉じゃ生ぬるいほど打ちのめされているというのに)
スマホやタブレットに"任せたこと"にして、どーすんねん。

感染症対策の帰結が、生き残る力を削ぐことだった、なんて
つまり感染症対策を頑張ったせいで、将来的に感染症対策ができない社会を招く、なんて
笑い話にもなりません。

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