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2020年7月27日月曜日

放棄したつもりでも放棄できないもの

2020年6月22日に書いた記事をアップしておく。
状況はあまり変わっていない、むしろ心配した通りの結果になっている。
--------------以下--------------

接触アプリに振り回されている。

1.検査しない=不安だけが残る
アプリで「接触歴あり」と判定されても、必ずしも検査対象にはならない。保健所が「症状なし+濃厚接触者ではない」と判断すれば、検査は不要です。
でも、これで納得してもらえるかね?
「アプリで接触歴あり=自動的に検査」を認めざるを得なくね?
だってほら、また「アプリで通知が来たのに保健所が検査を断った」って大騒ぎになる。
「接触歴ありと出たのに検査しないでおいて、もし感染していたらどう責任とってくれるんだ」と恫喝されるに決まっている。

これって、不安に応えるためのアプリだったのか?
っていうか、不安製造アプリだったのか?

→7/27追記
実際、cocoa使用者は、「不安だから検査してほしい」と言う
そして厚労省は7月上旬の通知で例によって「総合的に判断して」と、検査せよと保健所に忖度させる文章を送りつけてきた(そんなつもりなくても、保健所はそう解釈するんです)。
さらに厚労省は、電話をすると「検査が必要という画面にならなければ、検査しなくてもいい」と言う。
検査をしても無駄だが、検査しなくても窓口で相手を説得するのは各保健所に丸投げ。

2.「友人が接触歴ありとアプリで出た」と言われたら?
スマホを常時もっていることは強制ではないし、アプリを使うかどうかは自由。
それを逆手にとると「アプリを使っていないと検査できないなんておかしい」と言うことができる。
「友人が『接触歴あり』って出て、アプリ使っていない自分も一緒にいました」と訴えることができる。
そしてこれは、真偽を確認しようがない。「なりすまし」を防止できない。
嘘でも何でも、これも「1」と同じ理由で恫喝され、同じ理由で検査対象にできる、言った者勝ち。
これを検査するのなら、そもそもアプリなんて不要だ。
新生児マスみたいに全国民スクリーニングしますかね。
税金で。

・・・

「結核内服忘れ防止アプリ」ならまだしも、
接触履歴アプリとか
睡眠管理アプリとか
赤ちゃん監視アプリとか
私には「身体感覚の外部委託化」としか思えない。
「責任放棄アプリ・他者依存アプリ」としか思えない。

自分の身体が元気かどうか
家族が安全かどうか
アプリ上の世界が優位だと思い込み、それで管理した気になる
放棄したつもりでも、実は放棄できないものがあるだろうに。

「別の依存を生み出すことで、今の依存から逃れられる」
のならば、三次予防の効果としては良いだろう
ただ、三次予防ばかりではキリがないし
一次や二次予防をおざなりにしていいワケではない。

我々は家畜だらうか
壊れたら部品を交換すれば治せる機械だらうか

このアプリの事後処理をするのは保健所だが
アプリ対応を性善説で運用できると信じられるほどの純朴さは、保健所は持ち合わせていない(それでは商売になりませんから)。

いまさら「感染経路を追えていることが大事」とか「全体を追えていればいい」なんて綺麗事は聞きたくない。

「積極的」疫学調査が虚しいわ。
もう私は「消極的」疫学調査で構わないと思っている。
もう付き合っていられない。手を抜くわけじゃないけど。

まだこれから「妊婦の不安解消目的の検査」も動き出すと言うのに。

ちなみに、私のスマホは4年前に買ったもので、Androidのバージョンが古くてCOCOAは対応していません!というオチ。
なんと、たった4年で・・・

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