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2018年6月19日火曜日

全分野共通必修科目(コア科目):平成29年度国立保険医療科学院専門課程Ⅰ保健福祉行政管理分野分割前期(基礎)受講メモ

全分野共通必修科目(コア科目)
4/13 NIPH新村:院長講和>
参考図書:MINDSET スタンフォード大学 「やればできる」の研究
Growth mindset >> Fixed mindset
つまり、これからの成長を考える>>過去の成功を考える。でいきましょう、と。
11の話」が大事。One on one meeting。根回しにもなる。また、「外の情報を取り込む」が大事、と。
「ハロー効果」:うまくいっているとリーダーの能力が低くても褒められるが、うまくいっていないとたとえリーダーに責任はなくてもリーダーがけなされる。ハローとは後光のこと。
地域保健法ができた→母子保健は市町村、感染症は保健所、健康づくりは保険者の仕事になった。医療計画、医療構想にも、市町村や保健所は関わるようになった。
Nudge」:人がよい選択をするように誘導すること(ただし、選択は自由)。それをナッジという。たとえば、果物を目の高さに置くことはナッジであるが、ジャンクフードを禁止することはナッジではない。参考図書:実践行動経済学 リチャード セイラー、キャス サンスティーン。
デフォルトの力:put-in法→臓器提供するときに〇をつける→つける人は少ない。Put-out法→臓器提供しないときに〇をつける→つける人は少ない。
Cancer scan:人への広告メッセージは「14文字以内」が良いらしい。
保健所職員に求められる力:2007年に日本公衆衛生学会が7つのコンピテンシーを出したby曽根智史。社会医学専門医でも3つ挙げている。

4/13 NIPH奥村:地域保健と情報通信技術>
パワポ:Preziは見た目がよい。
Computer science:計算機科学。でも日本の公衆衛生内では疫学一辺倒。もっと「使いやすく」があっていいでしょ、と。
科学院クラウド:NIPHクラウド→使ってください、と。
社会医学が、情報通信技術において、これほど「後進的」では、絶望的。若い人は来ないよ、と。
現在の情報通信技術の問題点:マイナンバー制度以降セキュリティが高すぎることと、情報がもれたときにそれがたとえ暗号化されていても漏れたことだけで意味なくバッシングされる、ことが課題。

4/14 NIPH林:建築・住居の衛生>
特定建築物に介護施設や病院が入っていないのは、これら施設はより高度に管理しているはずだ、という性善説的な思い込みがあった、という話になっている。→という説明になっているということは、つまり、法律を作るときに、介護施設や病院は入れないでくれ、という抵抗があったのだろう。でも、管理したほうがいい、ということを、NIPHでは言っている。

4/14 NIPH福田:地域医療概論>
・医療保険、介護保険、公費負担医療等に関する主な根拠法
分野
対象となる制度
法律
医療保険
全国健康保険協会管掌健康保険組合管掌健康保険
健康保険法
国民健康保険
国民健康保険法
共済組合
国家公務員共済組合法、地方公務員等共済組合法など
後期高齢者医療制度
前期高齢者に係る保険者間の費用負担調整
高齢者の医療の確保に関する法律
公費負担医療
医療扶助
生活保護法
措置入院
精神保健福祉法
精神通院医療、更生医療、育成医療
障害者自立支援法
養育威容
母子保健法
介護保険
介護保険
介護保険法
・日本の医療保険制度の特徴
1.国民皆保険制度である。
強制加入で、保険者の選択ができない。
クリームスキミングや逆選択の問題は生じない。→保険者が意志をもって選択できない、ということ。クリームスキミング=おいしいとこだけ取ること。保険者がリスクの低い人のみを加入させ、リスクの高い人を排除すること。
2.所得の再分配機能を有している。
保険料はリスクではなく、所得に依存。
健康保険ではない一般の保険料の決め方は、リスクの大きさと、補償金額で決め、支払は現金給付か償還払いである。
3.現物給付である(保険者からみて)
消費者による保険の乱用が発生する可能性が大きい。→が、コインの表裏で、検証は困難。
4.混合診療の禁止と保険外併用療養費制度
保険診療と保険外診療を併用してはいけない。
一部の診療は保険外併用療養費として認められてきた。
5.価格が公定で、出来高払いの診療報酬である。
保健による支払金額は医療行為ごとに国が決めている。
・診療報酬の特徴
1.性格
保険診療の範囲、内容を決める(品目表としての性格)。→診療報酬点数表に掲載されていない診療行為は、保険診療として認められない。
個々の診療行為の価格を定める(価格表としての性格)
2.機能(役割)
医療機関の収入源→医療機関の経営に影響
医療費の灰分→医療機関間の医療費の配分に影響
医療サービスの提供促進→医療提供体制の在り方に影響
3.限界
診療報酬はあくまで医療機関の収入。医療従事者の賃金とは直結しない。
診療報酬の引き上げは、患者負担や保険料の引き上げにもつながる。
4.改定。診療報酬と薬価は、2年に1回、同時改定。
診療報酬改は単位は点、1点=10円。改定率は12月に内閣が決める→翌年の予算を決めるため。
薬価は患者に売るときの値段で、単位は円、かつ小数第1位もある。薬価は、ルール上、上がってはいけないことになっている。
・診療報酬点数、薬価基準の決定組織
1.厚生労働省
2.中央社会保険医療協議会(中医協)=方向性を示す。支払い側と受け取り側がおりあう話をする場。
 支払い側代表(1)=保険者 7名。
 医療提供者代表(2)=受け取り側 7
公益代表(3)=学者。仲介人。 6
・診療報酬改定の流れ
医療経済実態調査(改定前年の夏ごろ)→薬価調査(改定前年の秋ごろ)→薬価改定率決定→診療報酬改定率決定→診療報酬点数決定(中医協)
・国民医療費は、1兆円/年で上昇(2-3)。平成26年度は408071億円。
「国民医療費」の範囲は、定義が国によって異なるので、単純比較は無理。OECDのデータなら比較できる。
医療費増加率の要因別内訳:人口高齢化、医療技術の進歩、人口の増減、診療報酬改定
財源別医療費:公費38.8(国庫、地方)、保険料48.7(事業主、被保険者)、その他12.5(患者、その他)

4/17 NIPH橘:健康危機管理概論>
H6:保健所法→地域保健法に改訂
H9:厚労省健康危機管理基本指針の策定(香港新型インフルのとき):「健康危機管理とは、~なんらかの原因により~健康被害の発生予防、拡大防止、治療等に関する業務『のうち、厚労省の所管に属するもの』をいう→『』内はH13に削られた。国、現場が法令に基づいてそれぞれ独立して判断する体制を作った。(勝手に判断、ではない。)
H11:地域保健対策の推進に関する基本的な指針の改正(JCO臨界事故のとき)
H13:厚労省健康危機管理基本指針:「健康危機管理の定義」=対応業務を指す=医薬品、食中毒、感染症、飲料水その他何らかの原因により生じる国民の生命、健康の安全を脅かす事態に対して行われる健康被害の発生予防、拡大防止、治療等に関する業務。
H17:保健所における健康危機管理の対象分野を「厚労省地域保健対策検討会中間報告」で示した。事務分掌にあたる。ほぼ平常時のときの事務分掌にかぶっているのが公衆衛生の特徴。
H20:国際保健規則の改正(中国冷凍餃子のとき)
H23:地域保健対策の推進に関する基本的な指針の一部改正(東日本大震災のとき)
災害に関しては、「災害対策基本法」と「災害救助法」。基本、災害は市町村が対応し、ギブアップしたら都道府県や国、という流れ。
お金がなくても危機管理せなあかん→「お金がなくてもできること」を増やしていく、しかないか。これもなんだかなあ。正しいんだけど、あきらめてる気もする。

4/17 NIPH齋藤:感染症関係法規の基本>
・感染症法
「隔離」のみならず、が大事。ちゃんと医療体制を作ろうとするもの。
H15改正:SARSの教訓により、緊急時の対応強化→積極的疫学調査(待つだけでなく調査に出ること)を都道府県にやらせるようにした。
H26改正:エボラから、情報収集体制の強化(検体採取規定等
・感染症に対する主な措置
措置内容
保健所への届出
病原体を媒介するねずみ昆虫等の駆除、汚染された場所の消毒
就業制限
健康診断受診の勧告・実施
入院の勧告、措置
検疫法に基づく隔離等
感染症発生の原因等の調査
建物の立ち入り制限・封鎖、交通の制限
一類感染症
あり
あり
あり
あり
あり
二類感染症
あり
あり
あり
あり

三類感染症
あり
あり
あり


四類感染症
あり
あり



五類感染症
あり




人権にかかわる「就業制限」は類以上で、ある感染症を三類感染症以上にするには、法律が必要。四類以下は政令でも可。
・予防対応が可能な感染症:麻疹→ワクチン接種、侵襲性髄膜炎菌感染症→予防内服。よって届け出が「診断後直ちに」に変更、平成275月。

4/17 NIPH三浦:口腔保健概論>
・歯科疾患実態調査:平成11年、17年、23年と、5年に1回実施。
・齲歯が減った→歯が残るようになった→歯周病は増えた。
・厚労省「高齢者の口腔と摂食嚥下の機能維持・向上のための取り組みに関する調査」H29.1月、一読を。

4/17 NIPH安藤:歯科口腔保健における人的資源と予防の実践>
8020運動推進特別事業→条例:ほとんどが議員提案=歯科医師会の政治力。
・齲歯と歯周病に有効な予防対策

齲歯予防
歯周病予防
コミュニティケア
フッ化物洗口
フッ化物歯面塗布
水道水フッ化濃度調整法

セルフケア
フッ化物配合歯磨剤
砂糖の適正摂取
歯間部清掃(フロス、歯間ブラシ)、ブラッシング
喫煙しない
プロフェッショナルケア
シーラント
専門的口腔清掃
・歯科医師会について:世界中の歯科医師会は1つとして同じものはないby Schou L, Blinkhorn
・「8020運動推進特別事業」に関する事業仕分けのやりとり2009:財政局=お金出したくない発言、医政局=お金を出して何が悪い、という発言。
・齲歯が減少→歯が残るようになった→歯周病が増加は当然の帰結。
・齲歯の最大のリスクファクターは砂糖。しかし、フッ化物利用の普及によりこの関係は少し弱まったと捉えられている。
・フッ化物応用方の種類
全身応用:フッ化物を飲む方法。日本では未実施。かつて京都で行ったが続けられず、学会も主導できなかった。
局所応用:局所に作用させる(うがい、塗布)させる方法。
水道水フロリデーション
食塩フロリデーション
フッ化物錠剤
フッ化物入りミルク
フッ化物配合歯磨剤
フッ化物洗口
フッ化物歯面塗布
など
・水道水フロリデーション
フッ素は水道水に安全に入れやすく、コントロールしやすい。浄水場にて、齲歯予防を目的として飲料水中に、天然に存在するフッ化物の適正量を模倣して、人工的にその濃度レベルまでフッ化物を調整する方法。20世紀における公衆衛生の10大偉業の1つ。フッ化物は1ppm含まれると齲歯になりにくい。1ppm以上だと、今度は歯が白くなる、着色しやすくなる、などがある。
・フッ化物洗口事業の特徴:効果の確実性はある。実施に至る過程の不確実性もある。
安全性の基本的な考え方:フッ化物は自然環境物質である。ヒトの健康に有益な物質である。危険説は解明されている。長期間、多くの地域での応用による実績がある。
・歯周疾患の進行
出血、痛み→腫脹→口臭→歯の動揺→かめなくなる。歯が抜けるときは、上>下、奥>前の順で抜けやすい。

4/17 NIPH 玉置:口腔保健 地域連携 現状と課題>
・医科歯科連携は、進めるにしても、進めないにしても、地域差が大きい。行政が1枚噛むと、連携しやすい、と。
・義歯がある場合は、ちゃんと使えるほうが、使用中止するよりも、栄養が維持できて良い。
・三島市による調査によると、要介護度が上がると、嚥下機能が落ちる。要介護度が上がると口腔の保清も悪くなる。だから、たとえば要介護5の人は自動的にパスが入るようにすることが効果ありそうで、これは「介護」の点で、行政の仕事ともいえる、と。
→分からなくはないし、やらなくて良いとは思わないが、これは結果であって原因ではないのだから、要介護が高い人に歯科介入しても介護度は改善しない(だからやらない)と言われる。行政組織の義務としてやらなければならないことは、法律のこと。それ以外のことは、その組織の判断だし、優先順位もその組織の判断になる。→だから「法律上の義務はない」ことに、みんながどんな風に取り組むか、何を大事に考えてやっているのか。もっといえば、公衆衛生の役割を何だと思ってやっているのかを明らかにした方がよいだろう。

4/18 大夛賀:地域福概論>
・社会サービス提供体制の法律:根拠法とサービス法で分かれている。
根拠法
サービス法
保育のこと:ex児童福祉法
障害者自立支援法、子ども子育て支援法、障害者総合支援法
ひきこもり:根拠法はあいまい
生活困窮者自立支援法が近いかな?で、あいまいに対応中。
介護のこと:老人福祉法
介護保険法:10兆円、断トツでトップ
・補完性原理
基本は自分でやってね、ムリなら公で補います、というもの。順番があって、以下の通り。
そもそもの補完性原理
日本での言い方
介護保険のために開発した考え方
自分→協会→区→国
自助→共助→公助
自助→互助→共助→公助
互助(保険以外のもの)
共助(保険による補完)
・池田省三先生が「共助と互助はちがう!保険まで共助に入れるな。」と。だから「互助」と言い始めてくれた。
・大きな社会構造の変化:人口が減る先の社会に対して、保健医療がどうあるべきか。
今後、50年で、首都圏では高齢者が2倍に増える→耐えられるのか、という話がある。
・平野:平成25年の社会保障制度改革国民会議報告書「日本の社会保障は・・・自助を基本としつつ、自助の共同化としての共助=社会保険制度が自助を支え、自助・共助で対応できない場合に公的扶助等の公助が補完する仕組みが基本」は、平成25年になぜ言っていたのか、根拠は何か、「社会保障」は初めからそのようにデザインされていたのか、な、たぶん。権丈先生っぽい?
それにしても、パイの奪い合いは、もうやめたら?それから、「自助」「互助」のどちらかを充実させたいという二択を迫る前に、二択にならないようにするにはどうするか、にこそ力を割きたいんじゃなかろうか。
・日本の高齢者介護における三つのパラダイムシフト
1999年:互助:家族によるケア
20002005年:共助:介護保険法ができた→介護の担い手が家人から公(社会)になった。が、介護保険の負担が伸びすぎて、やめた。
2006年~:システムかされた互助:もたなくなったから、地域でみましょう、と、やめた分を地域によるケアで補った→これで「地域支援事業」が出てくる。
・「制度が変わると、価値観が変わる」
老親扶養義務感尺度の経年的変化を、介護保険制度の前後の比較でやると、介護保険制度実施前と実施後では、義務感がおおむね低下した。特に、嫁の義務感が低下した。
・地域福祉の今までの流れ
「個別支援から地域支援へ」:と動いているのは、地域包括支援センター、相談支援機関など。今まではこちらが多い。システムが弱いという発想から。
「地域支援から個別支援へ」:と動いているのは、社協、生活支援コーディネーターなど。これは社会処方箋の発想から来ている。システムのみでは個が見えないという発想から。
「共通項は?」:地域資源のアセスメント、地域診断をして、個別支援と地域支援を両立させる。お金がなくなったので自助、互助を進める流れがあったが、一方でお金を投入して自助、互助を進めたい。目指すところは自助、互助の充実。
・社会福祉協議会:社協
GHQの指導で作られた組織。ケアの部分と、ケアシステムの部分を担っている。指定管理で、お金なし、となったので、事業をやっている。市町村は地域福祉計画を策定するが、社協は地域福祉活動計画を策定する。両者が一体となっているところは少なく、社協と市町村はバラバラが多い。
・連携とは:「情報」の連携だ。
・地域包括ケアシステムは、福祉の言葉に置き換えると、「地域福祉」となる。
地域包括ケア:ケアのあり方であるから、規定できないもの。サービス、環境改善、福祉増進など。
地域包括ケアシステム:システムであって、専門的に提供するにはどうしたらいいかと考えるもの。
→「地域」は垂直統合(自宅→入院→自宅までのつなぎ間の無駄をなくす、連続性)、「包括」は水平統合(DrNs、リハ、家人etcの職種間の統合)。これをどう作っていくか、という方法論が、地域包括ケアシステム。
日本で用いられている「地域包括ケア」には、実は2つの独立したコンセプトが入っているもの。
1.Community based care:地域を基盤としたケア:地域の健康上のニーズに応えるという観点から運営される。さらに信仰、好み、価値観などにあわせて構築される。これは一定レベルの住民の地域参加によって保障される。
2.Integrated care:統合型のケア=医療ケアにおける分断を減らし、異なる組織のサービス提供の間の継続性や調整を高めるという目的を持つ体制を作ること=垂直的統合
しかし、この両者を同時に試みている国は少ない、
integrated care」には、さまざまなかたち、統合的プロセスがある=水平統合、垂直統合、予防と治療間のintegrated care、提供者と患者間(意思決定の共有とセルフマネージメントのサポートのため)、ポピュレーションと特定患者アプローチ間のintegrated care。統合の方法もさまざまで、システム的統合、組織的統合、臨床的統合など。それぞれのフレームワークであって、良し悪しではない。
・地域包括ケアシステムにおけるケアの連携レベル
1.つながり:linkage:例)ケアマネ、病診連携のレベル
2.調整:coordination:例)同一地域の専門職に統一したケアの方法論があり、退院前などにケアカンファがルール化されているレベル
3.統合:full integration:例)それぞれの専門職が、あたかも同一の事業所に所属する職員のように組織的に動く。
1-3を効果的、効率的に組み合わせることが必要。これも良し悪しではなく、1のみで済む人を3で金かける必要はない。

4/18 NIPH成木:ヘルスプロモーション>
HP(ヘルスプロモーション)には5つの柱がある。
1974年に10年調査したラロンドレポートがHPのベース。
Think global, act localHPから出てきた、と。
ソーシャルキャピタルの概念の中には、公的責任は入っていない、住民のみの話。Social capitalは、物的資本や人的資本などと並ぶ新しい概念(ロバートパットナムの定義)。人々の協調行動を活発にすることによって、社会の効率性を高めることのできる「信頼」「規範」「ネットワーク」といった社会組織の特徴。→平野:「ソーシャルキャピタルを上げると合計特殊出生率が上がる」は、数値は上がってはいても、結局人口減る範囲でしか上がらないんだが…。だから何?という数字では?
「健康なまちづくり研究室」も参考に。近藤尚己:http://plaza.umin.ac.jp/~naoki_kondo/

4/19 NIPH佐藤:政策評価概論>おもしろい!
・健康政策の方向性には、健康に直接アプローチするもの、間接的にアプローチするもの、意図的でなくとも健康に影響を及ぼすもの、がある。
・意思決定のレベルには、政策、計画、プログラム、事業・プロジェクトというようなレベルがある(これはfixedなものではない)。バクっとしたもの~具体的なもの、という具合に。それぞれのレベルで、さらにmissiongoals/objectivesstrategyexecutiontacticsというものがある。
それらを用いてどのように政策デザインするか、というのには色々な方法(枠組み)がある。たとえばdecision order analysispolicy function analysis, policy process analysis, systemic modelsなど多数。
そのうちの1つdecision orderの問題解決型の政策デザインの例:利益と緊急性で決めるか、組織のデザインを変えるか、個人の力に任せるか。というやり方がある。
・政策機能:情報、合意形成、法令制定、施行。これらを、どう継続され、評価され、改善や廃止されていくか。
・政策過程:問題認識、課題設定、政策手段の開発、政策選択と合法化、施策実施、評価判定。
Simon:政策決定のときは、「目に見えるもの」の中からベストを選ぶ、ということしかできない。しかも、「その場、その場」で選ぶ。Administrative behavior
・質的評価と量的指標:この2つは、使えるなら使えばよいが、あまりこだわらなくてもいいもの。
「指標」といっても、全体をみまわして評価に入っているもの/入っていないもの、にも注意を。
Hirschmann:「マーケットに参加しない」と決めたとしても、その人の不参加表明はマーケットには届かない→だから「声を拾う」という流れだ、と。→平野:ここ、飛躍がある。「拾いたい」と思うのは結局マーケットだが、もう目的が込みになっている。つまり、答えは1つではないのに、あたかも「声を拾う」ことが正しいこととされてしまっている。「だから~どうする」は、役割によるだろう。
・マーケットが間違える(失敗する)ケース:独占やmonopoly、不十分な情報、不確かな情報、不十分で偏った情報、負の外部性、正の外部性、公共の利益、必要最低限とか貧困のレベル設定の議論、政府の介入、市場適応、モラルハザード。たとえば医療の場合、占有され、情報はアンバランスで、強い人がいる一方で、最低限の人もいて、といった具合に。
・現在の医療の国際的評価は、OECDaccess to services, cost control, efficiency, effectivenessがある。これに入っているかどうか、を見ると面白い。

4/18 NIPH藤井:政策評価の実例>
・評価するには、必ず対照群をおいて、比較すること!
たとえば、健診を受けてリスク因子が判明した人は、1年後の健診では介入しなくても必ず減る(自然に減る)。そして平均への回帰が起こる。介入の評価を見るには、介入群と未介入群を比較しなければ分からない。
・集計のとき、「性別、年齢、人数、平均、標準偏差、誤差または95%CI(ばらつきの概念)」を必ず入れること。
・調査の手順は、「国民健康栄養調査」に倣うとよい。
・尼崎市 野口緑:健診の受診行動に関する横断研究
・静岡県 土屋さん:レセプト、健診データを県が取りまとめて分析、地図にした。国土数値情報+GIS
・滋賀県 静岡県の真似をして1年で作った。
・保健指導データ分析ソフト:2年分のデータを入れたら解析できるフリーソフトがある。
・森林太郎は脚気の原因を認めなかった:評価をきっちりやっても認められないのは昔も同じ…。

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