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2017年7月28日金曜日

肺結核治療中の搭乗可能時期の基準

あまり知られていないようなので、拙い訳ですが掲載しておきます。
搭乗許可を出す権限はそもそも保健所にはありません(機長にあります)が、国際的な判断基準として参考にできるのは以下のとおりです。

<海外への出国:民間の飛行機に搭乗できる基準>
・まず感染性の分類をする。
infectious TB:塗抹陽性の肺結核
potentially infectious TB:塗抹陰性かつ培養陽性の肺結核
non-infectious TB :2連痰で塗抹陰性、培養陰性となった肺結核
と分類する。(訳者注:気管支洗浄液のみで塗抹や培養が陽性となった患者の規定はない。potentially infectious TBよりも感染性は低いと思われるが。)

・薬剤感受性の肺結核で、infectious TBまたはpotentially infectious TBの場合:2週間治療後で治療経過が良好、かつ、2連痰の塗抹陰性、2連痰の培養陰性(少なくとも6wkの培養期間)。ただし、培養は「できれば」との但し書きあり。
・多剤耐性肺結核で、infectious TBまたはpotentially infectious TBの場合(MDRやXDR):2週間治療後で治療経過が良好、かつ、2連痰の塗抹陰性、2連痰の培養陰性(少なくとも6wkの培養期間で判断を)。こちらは、培養に「できれば」との但し書きはなく、培養陰性を確認することが必須条件である。
・いずれの結核も、上記の条件を満たせば、「non-infectious TB」と分類され、搭乗においてそれ以上の措置や届け出は不要。
・はじめからnon-infectious TBと分類される肺結核の場合:制限なし。

・主治医は、infectious TBとpotentially infectious TBの患者には、条件を満たすまでは飛行機に搭乗しないよう指導しなければならない。
・主治医は、指導に反して患者が搭乗を試みようとしている場合は、保健機関にすみやかに情報提供しなければならない。また、特別な事情で搭乗しなければならない場合も同様に、保健機関に情報提供しなければならない。

出典:WHO「tuberculosis and air travel 3rd edition」

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