その子には4歳になる弟がいて、弟は別の病院でツ反を受けました。
兄のツ反判定の日のこと、母と二人で来訪されました。
兄のツ反は陰性でした。接触状況など加味して、検査はこれで終了です。
まずこの結果の説明を母とお話していました。兄は陰性で、検査終了でよかったのですが、一方、弟はどうやらツ反陽性と判定されそうだ、ということが話の中で分かりました。私は弟には会っていませんが、状況などから「可能性はある」と思われ、質問など大人同士の会話をしていました。
少し長くなってきたので、遊んでいた兄も「話をしたい」と言っていました。
「じゃあ、お母さんのあとで聞くから、ちょっと待っててね」と、兄には少し待ってもらうことにしました。
さて、ひとしきり母と話をしたあとのことです。
「では、お兄ちゃんの番、どうぞ」と私が兄に質問を振りました。
兄は遊びながらも、大人同士の会話をしっかり聞いていたのでしょう。
「弟は腫れたら死んじゃうの?」
「弟は薬を飲んだら死んじゃうの?」
と質問してきました。
「腫れたら」はツ反陽性のこと、「薬」はLTBI治療のINH内服のことです。
開口一番に、兄が自分のことではなく弟のことを質問してきたことに驚きました。
もちろん「死んじゃう」ようなことはないのですが、8歳の兄にとっては、そうだよなぁ不安なことだよなぁ、と共感した次第。
この兄の不安な気持ちにどうやって応えようかなと考えながら話をして、「わかった」と言ってくれたので、この場はお開きになりました。
この日、兄はとても良い質問をしてくれました。
大人の会話を聞いていないようで、ちゃんと聞いている。そして自分の検査結果にも不安があっただろうに、それ以上に不安なことは自分のことではなかった。
あー、あの場で思い至らなかったなぁ。頭が固かった。
ここからは、私の反省。
兄の不安な気持ちにどう応えようか、を、まず考えてしまったけれど、
その前に、この兄をまず褒めてあげればよかった。
弟思いのとても立派な兄だ、と褒めてあげればよかった、と猛省した出来事でした。
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